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生後数カ月で深いシワ、「早老症」のニホンザル発見

 2014年11月14日 17:00

 京都大学霊長類研究所(愛知県犬山市)の高田雅彦教授ら研究グループは、通常よりも早く年老いてしまう「早老症」の雌のニホンザルを世界で初めて発見した。ニホンザルは通常、25歳以降で老化減少が見られるが、このニホンザルは生まれて数カ月で顔中に深いシワが刻まれ、1歳未満で白内障、2歳までに脳の萎縮や糖尿病の初期症状が見られたという。詳細は11月3日発行の米医学誌「Plos One」(電子版)に掲載されている。

人間の早老症とは違うタイプか

 早老症は実際の年齢よりも急激に年老いてしまう病気で、老化とともに体の機能が衰え、高齢者がかかる病気を招く危険性が高まる。そのため、人間の場合は平均寿命が13歳程度と短い。原因は染色体の異常といわれている。

 今回、早老症が確認されたのは研究所で飼育されていたニホンザルで、生後10カ月までに皮膚がシワだらけになり、白内障を発症、さらに2歳の時点で脳の萎縮や糖尿病の初期症状が見られた。人間以外の動物で早老症を自然に発症する報告はほとんどなく、さらに、体の変化が人間の早老症患者に似ていたという。

 しかし、詳しく調べると、人間の早老症(ウェルナー症候群やハッチンソン・ギルフォード症候群など)とも症状が完全に一致しておらず、人間の早老症の原因となる遺伝子異常も見られなかったようだ。

 このサルはすでに死んだものの細胞は保存しており、今後はその細胞からiPS細胞を作り、早老症の研究に役立てるという。高田教授らは、人間の早老症とはタイプが異なるものの、体の変化などの特徴が似ているため、早老症や正常な老化の仕組みを解明する上で有用になるだろうとコメントしている。

(S. U.)

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