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保湿クリームは押し込む! 正しい手荒れ予防法

 2016年01月27日 20:00

 空気が乾燥して水が冷たいこの季節、仕事で水を使う人はもちろん、家事などで手を酷使して手荒れに悩んでいる人も多いのでは? 1月23日放送のNHK・Eテレ健康バラエティー番組「チョイス@病気になったとき※こちらのリンクはただいま無効中です。」では、手荒れの悩みとその解決法が紹介された。保湿クリームは擦り込むのではなく、"押し込む"のが正しいという。

こまめに塗るべし!

 番組では、手荒れの悩みで一時は閉店までも考えたというレストランのオーナーシェフの体験を通して、聖母病院(東京都新宿区)の小林里実医師(皮膚科)が手荒れの正体を説明した。

 人間の手は、細胞内の天然保湿因子や細胞の間を埋める細胞間脂質(セラミド)によって水分が保たれ、表面を皮脂膜が保護している。だが、皮脂膜が水などで流れ落ちると天然保湿因子やセラミドも溶け出して水分が蒸発し、そこに洗剤などの刺激が加わると手荒れが進むという。

 皮脂膜は再生するのに2時間かかるため、その間は保湿クリームをこまめに塗ることが必要だと小林医師は説く。モデルでタレントの浜島直子さんが「こまめに塗るだけでいいんですか?」と聞くと、「それがとても大事。手を使う頻度に合わせて何度でも塗ってください」と回答した。

 また、市販品を使う場合は製品の成分表示に注目してほしいとアドバイス。セラミド・ヘパリン類似物質は保湿に効果があるほか、初期のかさつきやひび割れには尿素系で、重症化した手荒れやかゆみがある場合はかゆみ止め成分やワセリンが入っているものがよいと説明した。

湯はぬるめの方がいい

 さらに小林医師は、日常生活の注意点として(1)こまめな保湿、(2)ゴム手袋、(3)ぬるめのお湯(32度)を使う、(4)集中ケア―の4点を紹介。1回に使うクリームの量は、手のひらに対して人差し指の第一関節の長さが適量とのこと。つまり、両手であればその2本分を全体に伸ばして塗る。その際に大事なことは、必ず押し込むように塗ることという。

 特に指先がカサカサしている人は、保湿クリームを塗った指先を両手でしっかり包み込むようにして押し込むとよいのだとか。手を何度も何度もこすって擦り込んでしまいがちだが、それでは皮膚の中にはしっかり入らないと小林医師。密封するような形で内部に押し込むのが適切な塗り方で、余った分はティッシュで拭いてもよいそうだ。さらに肝心なのは、少し時間がたってカサカサしてきたらもう一度保湿クリームを塗り、カサカサの状態を作らないことという。

 番組ではこのほか、手荒れに似た手白癬(はくせん=水虫)や梅毒、乾癬(かんせん)、手足に赤い水ぶくれができる掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)症などの病気を紹介。また、手荒れにはアレルギー性のものもあるので、保湿クリームを塗っても治らない場合は皮膚科を受診してほしいと注意を促した。

 次回の1月30日放送では、「まとめスペシャル」として喉の病気が特集される。JCHO東京新宿メディカルセンターの石井正則医師や、国立病院機構東京医療センターの角田晃一医師が解説するという。

(萩原忠久)

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