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人工甘味料が胎児に影響...過体重リスク2倍に

 2016年05月11日 06:15

 人工甘味料入りのダイエット飲料や、砂糖の代わりに人工甘味料を加えたお茶やコーヒーなどを日常的に飲んでいた妊婦から生まれた子供は、1歳を迎えた時点で過体重(太り気味)になりやすい可能性が、カナダの母子2,700組を対象とした調査から示された。調査を実施した同国マニトバ大学の研究グループによると、人工甘味料入り飲料を毎日飲んでいた妊婦から生まれた子供は、全く飲んでいなかった妊婦から生まれた子供に比べて1歳を迎えた時点で過体重になるリスクが2倍に高まっていたという。妊娠中は体重管理を厳しく指導されるため、砂糖に比べて太りにくいイメージのある人工甘味料を選ぶ妊婦も多いかもしれないが、取り過ぎないよう注意した方が良いかもしれない。調査結果の詳細は5月9日発行の米医学誌「JAMA Pediatrics」(電子版)に掲載されている。

3割に妊娠中、人工甘味料入り飲み物を飲んだ経験あり

 砂糖の取り過ぎは肥満につながることから、近年、砂糖の代わりに人工甘味料を使う人が増えている。しかし最近、人工甘味料も肥満リスクを高める可能性が、複数の研究で示されているという。また、動物実験で妊娠中に人工甘味料を取ると胎児にも影響し、出生後の肥満リスクが高まることも明らかにされている。そこで、研究グループは約2,700人の妊婦とその出生児を対象とした調査データを分析。妊娠中の人工甘味料を含んだ飲み物の摂取と出生児の1歳時点のBMIとの関係について調べた。

 調査対象となった妊婦の約3割に人工甘味料が含まれる飲み物を飲んだ経験があり、毎日飲んでいた妊婦は全体の5.1%を占めていた。また、妊娠中に人工甘味料が含まれる飲み物を全く飲まなかった妊婦から生まれた子供に比べ、毎日飲んでいた妊婦から生まれた子供は、1歳児時点で過体重となるリスクが2倍に高いことが分かった。一方、砂糖を加えた飲み物を妊娠中に飲むことは子供のBMIに関係していなかった。

 研究グループは「動物だけでなく人でも妊娠中の人工甘味料の摂取がお腹の子の肥満リスクにつながることが初めて明らかになった」と説明。「肥満の子供が劇的に増加する一方、人工甘味料の使用が広がりつつあることを考えると、今後、妊娠中の人工甘味料の摂取と出生児の体重との関係について、さらなる研究を行っていく必要がある」と主張している。

(あなたの健康百科編集部)

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