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クローン病患者で血液がんリスク14倍に

 2016年10月20日 06:00

 炎症性腸疾患(IBD)は、大腸や小腸の粘膜に慢性の炎症や潰瘍を引き起こす病気。その代表格の「クローン病」は10歳代後半から20歳代の男性に多く、男女比は約2:1といわれている。一方、同じくIBDの代表格である「潰瘍性大腸炎」の発症年齢はピークで20~29歳だが、若年者から高齢者まで発症し、男女の差もみられていない。IBDは日本でも毎年増加の一途をたどっている。こうしたIBDの患者では、白血病など血液のがんにかかる割合が高いと、台湾・郭総合医院の研究グループが米医学誌「American Journal of Gastroenterology」(9月号)に発表した。

IBDは血液がん検査を重視して

    IBDとがんの関係については、アジア人では明らかにされていない。研究グループは今回、1998~2012年の台湾の医療データベースを使ってIBD患者のがんリスクを検討した。がんの既往歴がない3,348人(クローン病685人、潰瘍性大腸炎2,663人)を2013年まで追跡調査し、がんにかかる割合を算出。IBDでない人々と比較した。

 その結果、IBDの患者はがん全体のリスクではIBDでない人々と変わらなかったものの、血液がんだけで見ると、IBDの患者でリスクが明らかに高かった。特にクローン病患者では14.08倍、潰瘍性大腸炎患者では2.51倍だった。ただし、大腸がんのリスクは上昇していなかったという。

 この結果から研究グループは、IBD患者は将来にわたって血液がんの検査を重要視すべきと強調している。

(あなたの健康百科編集部)

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