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世界で一番の長寿国は?

 2016年10月27日 06:00

 日本は世界でもトップクラスの長寿国と言われているが、世界的に最も長寿なのはどこなのか。このほど、平均寿命などに関して195の国と地域の最新データをまとめた研究結果が発表された。それによると、2015年時点の世界の平均寿命は、1980年に比べて10年以上延び、長寿国トップは欧州のアンドラ公国だったという。健康上の問題で日常生活が制限されるといったことなく日々が送れる年数を表す「健康寿命」も、2015年には1990年に比べて6.1年延びたが、平均寿命の延長分には及ばず、病気や障害を抱えて生きる年数は延びたことが示された。詳細は、医学誌「Lancet」(2016;388:1459-1544、1545-1602、1603-1658、1659-1724、1725-1774、1775-1812)に掲載されている。

平均寿命の世界一は、男女ともアンドラ公国

 今回の研究に用いられたのは、1990~2015年の195の国と地域における死因や有病率などに関するデータ。127の国と地域から1,870人の研究者が参加した。

 研究グループによると、2015年時点の世界全体の平均寿命は71.8歳で、1980年の61.7歳から10年以上延びたという。男女別の平均寿命は、男性が1980年の59.6歳から2015年には69.0歳に、女性は63.7歳から74.8歳に延びた。特にこの10年間で平均寿命の延長が際立っていたのは、サハラ砂漠より南のアフリカの国々で、中でもジンバブエでは男性で11.7年、女性で17.0年も延びた。

 2015年の平均寿命の世界トップは男女とも、スペインとフランスの国境にある小さな国「アンドラ公国」で、それぞれ81.2歳、88.4歳だった。日本はどうかと言うと、男性が79.9歳で8位、女性は86.4歳で2位だった。一方、平均寿命が最も短かったのはアフリカ南部の「レソト王国」で、男性44.1歳、女性50.4歳だった。

 平均寿命が延びた主な理由として、研究グループは、特にこの10年間でHIV感染やエイズ、マラリア、下痢を伴う病気といった感染症による死亡率が大幅に下がったことを挙げている。また、低下のペースは感染症による死亡率ほどではないが、心血管疾患やがんによる死亡率にも低下が見られたという。

 一方、世界全体の健康寿命(平均)は、1990年の56.7歳から2015年には62.8歳へと6.1年延びた。男女別では、2015年時点で男性60.9歳、女性64.9歳で、2005年時と比べそれぞれ2.9年、3.5年延びた。

 ただし、健康寿命の延びは平均寿命の延長分には及ばず、健康上の問題を抱えて生活しなくてはならない年数が、男女ともに延びてしまったことが示された。なお、日本人の2015年の健康寿命は男性71.54年、女性76.28年だった。

(あなたの健康百科編集部)

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