「いや、日本には絶対にデング熱はないです!」

 2014年8月、某関東の救急病院で深夜に訪れたブラジル人(40代男性)に僕は検査が不必要であることを力説していました。

 彼は39℃超の発熱と倦怠感を主訴に来院しましたが、以前母国で感染したデング熱と同じ症状であり、心配だから検査してくれと頼まれたのでした。デング熱の検査を深夜に出来る病院は日本になく、そもそも国内での感染は日本では戦後以降報告がありません。通常自然に軽快することが多く、デング熱用の薬もないので、対処療法を行い帰宅となりました。

 それから3日後、東京でデング熱が発生したというニュースが流れました......。

 もしかしたら、あのブラジル人の患者さんは正しくて、自分は誤診したのかもしれない。この一例の経験が自分を世界中の感染症に眼を向けさせる「キッカケ」となる出来事でした。