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NYの「アキュパンクチャー」

 2016年12月07日 10:30

 ニューヨーク(NY)では最近、「acupuncture(アキュパンクチャー)」という文字をよく見かけます。直訳すると「鍼(はり)」。でも、この看板を掲げている施術院では、オリエンタルメディスン(東洋医学)とハーブやカッピング(吸い玉)、マッサージを組み合わせて、ライセンスを持った鍼灸(しんきゅう)師(acupuncturist)が治療をしてくれます。なので、アキュパンクチャーは今や「鍼」と訳すよりも、「東洋医学」もしくは「西洋医学以外の治療」、あるいは「ホリスティック・ボディトリートメント(全身的な治療)」とした方が実質的かもしれません。

東洋医学専門校に編入した女子医学部生

 西洋医学の大学医学部から、東洋医学の学校に編入した女性に出会いました。友人の娘のネッティ(仮名)です。彼女はこう言います。「東洋医学(彼女は"イースタン・メディスン"と言う)の方が役に立つと思ったわ。大学を変えることは簡単じゃない。お金もかかるし。でも悩んだ末に決めたの」

 私の友人である彼女の母も、全面的にネッティを応援しています。家に遊びに行ったら、大きなオーガニックのショウガを何本か丸ごと鍋に入れてぐつぐつ煮込み、その煎じ湯を飲んでいました。「ハルコも飲む?」「もちろん! ジンジャー大好き!」

 ジンジャーブレッド、ジンジャークッキー、ジンジャーエール...米国でもショウガは古くから生活に取り込まれています。でも、米国の一般的な家庭のキッチンで、家庭用鍋で煎じられているジンジャーを見ていると、「米国の東洋医学」の本格的な幕開けを感じてしまいます(言い過ぎ?)。

ボディワークスタジオで働くジェニー

 ボディワーク(整体、マッサージ、ヨガなど)のスタジオで働く27歳女性のジェニー(仮名)は最近、アキュパンクチャーに通っていて体の調子が良くなったといいます。

 「以前は、痛いところがあると薬を使って痛みを止めて、それで終わりだった。でも、アキュパンクチャーのトリートメントを受け始めてからは、この痛みはどこからどうやって出てくるのかというように、自分の体のことをもっと深く考えるようになったの。心が変わると体の調子も変わったように感じるわ」

 満足していて、これからも通うそうです。

 NYに住んでいると、「西洋」「東洋」と分けることはどうもしっくりきません。あまりに多くの国の人が集まり、このビッグアップルを作り上げているからです。なので、「東洋医学」と訳すよりもさらに先進的にすると、「アキュパンクチャー」という新しい分野なのかもしれません。

スタントン治子(すたんとん・はるこ)

 1967年、神戸市生まれ。1983年からインストラクター、トレーナーの仕事を開始。体が弱かった幼少期、股関節に障害を負った10代の経験から、体の構造、健康について学ぶ。1994年、東京にてパーソナルトレーニングサービス開始。女優・大竹しのぶさんや、ヴァージン・アトランティック航空元日本支社長(現香港エリアマネジャー)のポール・サンズ、チエコ夫妻ら多くの著名人・財界人にトレーニングを提供。2014年、結婚を期にニューヨークへ移住し、同地でもパーソナルトレーナーとして活動を開始した。「STANTON'S」代表、健康運動指導士、インド中央政府認定ヨガインストラクター。


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