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えっ、白ワインが皮膚がんのリスクに?

 2017年02月07日 06:00

 赤と白、どちらがお好み? 食事とともに味わうワインは、お酒好きの人にはたまらない。白ワインは、フルーティーで、サッパリとした飲み口。魚料理にはうってつけだ。多くの人に愛される白ワインだが、このたび、がんとの関連を示した研究結果が、ハーバード大学医学大学院らの研究グループから発表された。白ワインは皮膚がんの一種であるメラノーマの発症リスクを高める可能性があるという。詳細は、12月25日に発行された医学誌「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」(2016;25:1550-1558)に掲載されている。

白ワインで、メラノーマの発症リスクが13%上昇

 メラノーマは、悪性黒色腫とも呼ばれるタチの悪い皮膚がん。黒みを帯び、ほくろに似ているため、見分けが付きにくい。また、自覚症状がないのも厄介だ。

 アルコールは多くのがんでリスクが上昇すると言われているが、メラノーマとの関係は明らかにされていない。

 そこで、研究グループは、これまでに行われたアルコールの摂取とメラノーマのリスクとの関係について検討した3件の大規模研究のデータを統合して解析した。3件の研究ではいずれも、食物摂取頻度調査票という日頃の食事内容に関する調査により、アルコールの摂取量が、繰り返し調べられていた。

 トータル385万5,706人・年の追跡で、1,374人に転移を起こしうる浸潤性のメラノーマが発症した。データを解析したところ、アルコールを多量に飲むと、メラノーマを発症するリスクが高まった。白ワインでは、1日1杯摂取当たりのメラノーマの発症リスクは13%上昇と、白ワインがメラノーマの発症リスクの上昇と密接に関係していることが示された。

 さらに、アルコールを飲まない人に比べ、純エタノール換算で1日20g以上(ビール中瓶1本、ワイン1/4本程度)を飲む人では、メラノーマの発症リスクが、頭頸部と手足で1.02倍であったのに対して、体幹部で1.73倍と高かった。つまり、アルコールの摂取とメラノーマとの関係は、紫外線に当たりやすい頭や首の部分、手足よりも、紫外線に当たりづらい体幹部で、より強まったという。

 アルコール好きの人は、飲み過ぎに気を付けると同時に、普段隠れている体幹部のメラノーマにも、注意が必要かもしれない。

(あなたの健康百科編集部)

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