ビタミンD不足にご用心、小児ぜんそくに
2017年03月14日 06:00
ビタミンDには、カルシウムやリンの吸収を助け、骨の健康を保つ働きがある。不足すると、子どもではくる病、大人では骨粗しょう症になることが知られている。オーストラリアの西オーストラリア大学などが行った研究によると、乳幼児期にビタミンDが不足すると、小児ぜんそくの発症リスクが高まるという。研究の詳細は、医学誌「Journal of Allergy and Clinical Immunology」(2017;139:472-481)に掲載されている。
6カ月、2、3歳時のビタミンD不足が関連
ビタミンDは、サケやいわし、しらす干しなどの魚介のほか、きくらげや干ししいたけなどに多く含まれている。そして、食べ物から摂るだけでなく、日光を浴びることで、体内でもつくることができる。
ビタミンDの過不足は、血清25-ヒドロキシビタミンD[25(OH)D]という値で分かるが、乳幼児期の血清25(OH)D値と小児ぜんそくとの関係について、ぜんそくを発症していない子どもを追跡して調査した研究は、これまでに報告されていない。
そこで今回、研究グループは、ぜんそくのリスクが高い子どもを対象に、出生時、生後6カ月時、1、2、3、4、5、10歳時に、血清25(OH)D値を測定し、小児ぜんそくとの関連を検討した。
その結果、6カ月と2、3歳時の血清25(OH)D値が低値であるほど、ぜんそくになりやすいことが分かった。
また、血清25(OH)Dが欠乏していた回数が多いほど、10歳時に、ぜんそく、呼吸がゼイゼイ・ヒューヒューするぜんめい、湿疹、ぜんそく発症の前段階とも言える感作の状態になるリスクが、それぞれ高まっていたという。
(あなたの健康百科編集部)