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親のがんを子どもに伝えるべきか?

 2017年03月22日 06:00

 自分ががんになったら子どもに伝えるべきか? その時、子どもはどんな反応をするのか? 学校や勉強に影響が出ることはないだろうか? 自分やパートナーががんになったら、治療や生活のことだけでなく「子どもへどう対応するか?」は親として大きな問題の一つとなる。株式会社メディリード(東京都新宿区)とがん患者のコミュニティサイト「キャンサーペアレンツ」が共同で「子どもに自身のがんを伝えること」に焦点を当てた調査を行い、約8割の人が自分自身のがんを子どもに伝えて良かったと回答していることが分かった。

がんのことを伝えたのは「自分」が78%

 「キャンサーペアレンツ(CP)」はこどもを持つがん患者のサポートサービスで、子どもを持つがん患者がつながり、語り合える「場」を提供するコミュニティサービス。このサービスは、発足1年足らずでだが、がん者を中心に550人以上が登録しており、東京や大阪などでワークショップを開催するほどの盛り上がりを見せている。

 今回の調査は、このCP会員を対象に全国各地方34都道府県に在住する30~64歳の男女133人から回答を得た。

 その結果、全体の73%の人が子どもに自分自身のがんのことを伝えている。また、伝えた人は「自分で伝えた」人が78%と最も多く、次いで「配偶者・パートナー」が16%と続いた。

 子どもに伝えた理由としては、「がんについて受け止められる、理解できると考えたから」「隠すことはできない、隠したくないと考えたから」「子どもに(病気のことなど)考えてほしいから」「安心させたかったから」などがあげられた。

伝えられない人の勇気に

 子どもに自分自身のがんを伝えた後の状況は、8割以上の人が「伝えて良かったと思う」と回答。また、その後の関係も「以前と比べて変化はない」が72%、「良い方向に変化した」が27%となっており、伝えた方のお子さんとの関係は伝えることで悪くなることはほとんどないという結果になった。

 伝えた後にお子さんとの関係が「良い方向に変化した」と回答した方は、家事などのお手伝いを自発的に行うようになる、思いやりを感じるなどの変化をあげている。また「特に変化はない」と回答した方でも、その多くが以前より優しくなった、励ましてくれるなど、親の状況をそれぞれの立場、状況で理解し、自発的に行動する、自立することが子どもの変化として生まれる傾向がみられたという。

 CP運営代表者の西口洋平氏は「私ががんの告知を受けた時、子どもにどのように伝えようか、そもそも伝えるべきなのか、とても悩みました。今回の調査で、子どもにがんのことを「伝えない方が良かった」という回答がゼロであったことは驚きであり、まだ伝えられていない方には勇気を与えるものになる」とコメントしている。

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