メニューを開く 検索

トップ »  疾患・健康ニュース「あなたの健康百科」 »  検診結果で気になる尿酸、高値が左室肥大を予測か

疾患・健康ニュース「あなたの健康百科」一覧

検診結果で気になる尿酸、高値が左室肥大を予測か

 2017年04月06日 06:00

 健康診断や人間ドックの検査結果を見ると、「尿酸」という項目がある。血液中の尿酸濃度が高い「血清尿酸高値」は、高尿酸血症や痛風を招く危険があり、特に中高年男性では気になるところかもしれない。この度、そんな血清尿酸高値に関する研究結果が、イタリアのミラノ・ビコッカ大学などの研究グループから報告された。血清尿酸値が高いことが、全身に血液を送り出す心臓の左室が分厚くなる「左室肥大」を予測する因子になるという。研究の詳細は、1月17日発行の医学誌「American Journal of Hypertension」(電子版)に掲載されている。

960人を10年間追跡

 研究グループは、血清尿酸値と左室肥大の新規発症との関連について検討するため、地域住民を10年間追跡する研究を行った。

 対象としたのは、はじめに実施した心エコー検査から「左室心筋重量係数」を算出し、左室肥大がないと評価された人で、かつ追跡終了時にも左室肥大の再評価ができた960人。このうち258人が、追跡期間中に左室肥大を発症した。

 また、はじめに測定した血清尿酸値で対象者を3つの集団に分割したところ、左室肥大の発症率は、低値群23%、中間値群25%、高値群32%だった。

 年齢や性別、総コレステロール値など、肥満指数(BMI)以外のさまざまな因子による影響が出ないよう調整を加えて解析を行ったところ、血清尿酸値が1mg/dL増加すると、左室肥大の発症リスクが26%上昇するという関係性が見られた。また、血清尿酸値低値群と比べ、高値群での左室肥大の発症リスクは約2倍だった。

 しかし、BMIを補正した後の解析では、これらの関係は弱まったという。

 研究グループは、「血清尿酸高値が、左室肥大を予測する因子であることが分かった。左室肥大の進行抑制には、血清尿酸値を下げるための生活習慣改善や薬理学的介入を検討すべきだろう」とコメントしている。

(あなたの健康百科編集部)

ワンクリックアンケート

大阪万博まであと1年

トップ »  疾患・健康ニュース「あなたの健康百科」 »  検診結果で気になる尿酸、高値が左室肥大を予測か