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意外と多い!子どものインスタントヌードルによるやけど

 2017年08月23日 06:00

 やけどは日常生活において比較的よく起こるけがの一つだが、その原因はさまざまである。飯塚病院(福岡県)皮膚科の村田真帆医師らは、子どものインスタントヌードルに関連したやけど(インスタントヌードル関連熱傷)について特徴を検討した。その結果、比較的発生率が高いこと、昼食の時間に発生しやすいこと、さまざまな部位にやけどを負っていることなどが明らかになり、第116回日本皮膚科学会で報告した。

インスタントヌードル消費量の多さなどを反映か

 海外の論文では、子どものやけどの原因としてのインスタントヌードルの割合は5.4%と報告されている(Burns 2013; 39: 363-368)。2012年1月~16年10月に飯塚病院の皮膚科を受診し、継続的に治療したやけどの子ども105人を対象に調査したところ、インスタントヌードルが関連して発生したやけどは約23%であった(図)

 この結果について、村田医師は「軽症の患者は、救急外来を受診するのみで皮膚科で治療をすることが少ないこと、また今回の集計はインスタントヌードルの調理過程での症例を広く含んでいることから、一概に海外の報告との比較できないが、発生率は高いと言わざるを得ない」と説明する。

 発生率が高い理由について、日本は中国、インドネシアに次いで世界で3番目にインスタントヌードルの消費量が多く(世界ラーメン協会公式サイト:2017年5月11日調べ)身近であること、さらに調理法の大半は、カップ麺であれ袋に封入されたタイプのインスタント麺であれ、沸騰した湯を注ぐ形式であることなどが関連しているのではないかという。

昼食の時間帯に多く、上肢・体幹・下肢の幅広い部位を受傷

 やけどの発生時間を見ると、全体では夕食帯(17~23時)が約34%、昼食帯(11~17時)が約32%と夕食帯の割合が若干高かった。ところが、インスタントヌードル関連熱傷が占める発生時間の割合は、夕食帯が約14%だったのに対し、昼食帯は約44%と顕著に高かった。

 また他の原因によるやけどの部位は腕が多かったが、インスタントヌードル関連熱傷では腕・胴体・脚部分がそれぞれ約30%と、広範囲にわたる傾向があった。さらに、やけどの程度は前胸部などの最初にかかりやすい部分の方が、重症になる傾向があったという。

調理する際は、見守りの強化を

 年齢については2歳以下が66.7%と大半を占めたが、7歳以上も約16%と一定数見られた。2歳以下は、興味本位で調理中のインスタントヌードルに触れてやけどをするケースが多い一方、7歳以上については自分自身で調理し、やけどをしてしまう例が少なくないと考えられた。

 こうしたことから、村田医師は「子どものインスタントヌードル関連熱傷は、食事を手軽に済ませたい昼食帯によく起きる。身長が低いため、食卓など上方から熱湯や汁などの熱い液体をかぶることもあって、やけどの部位が広範囲にわたることが多い」と話す。

 子どもがいる環境でインスタントヌードルを調理する際は、親など周囲の大人が見守る意識をより強く持つことが必要だと、注意を呼びかけている。

(あなたの健康百科編集部)

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