米国の若い女性に日焼けサロン依存症
2017年10月27日 06:00
米・Georgetown UniversityのDarren M. Mays氏らは、インドアタンニング(日焼けサロンや自宅での室内日焼け装置による日焼け)を行ったことのある非ヒスパニック系白人の若い女性では、20%以上がインドアタンニングに依存していると、Cancer Epidemiol Biomarkers Prev(2017年10月19日オンライン版)に発表した。
インドアタンニングでメラノーマリスクが上昇
2014年に米国保健福祉省の長官が国民に向けて発表した「皮膚がん予防行動の呼びかけ」によると、インドアタンニングは皮膚がんの中でも非常に悪性のメラノーマ(悪性黒色腫)のリスクを約20%上昇させるという。もちろん、他の皮膚がんのリスクにもなると指摘されている。
Mays氏らは、非ヒスパニック系白人の若年女性(米国の成人人口の中でインドアタンニングの普及率が最も高いグループ)におけるインドアタンニングへの依存度を調べた。
過去1年間に1回以上、室内日焼け装置を使った経験がある非ヒスパニック系白人女性(18〜30歳)389人に、オンラインアンケートを実施した。回答者の46.7%は大学生であった。インドアタンニングの依存度については、アルコール依存症のスクリーニングに使われるCAGEテストと、「精神疾患の分類と診断の手引き」に修正を加えたものが用いられた。どちらも陽性の場合を"依存症"と定義した。
介入法の開発が必要
調査の結果、回答者の22.6%がインドアタンニング依存症とされた。依存症とされた人は、若い年齢のときからインドアタンニングを始めており、外見を気にする、抑うつ症状が見られるという傾向が見られた。
"外見が重要である"と強く信じている女性では、73%でインドアタンニング依存症の傾向が見られた。また、抑うつ症状が陽性であった女性では、抑うつ症状がない女性と比べて依存症が4倍多かった。
Mays氏は「米国ではインドアタンニングが一般的になっているが、今回の調査から若い女性の一部では、アルコールなど他の依存症と同様にインドアタンニングへの依存が、問題行動となっていることが分かった」と指摘し、「このような女性は"健康を害する可能性があるのでやめましょう"などの警告には応じないだろう。次のステップの1つは、インドアタンニング依存への介入法を開発することである。喫煙習慣の改善など、成功したアプローチを参考にした介入法を考える必要があるかもしれない」と述べている。
今回の調査では、一部地域(ワシントンD.C.の大都市圏)における若い女性グループのインドアタンニング依存症について解析したため、同氏は「この結果は、他の地域や若年男性など別のグループでは当てはまらない可能性がある」としている。
(あなたの健康百科編集部)