携帯通知でインフルワクチンの接種率が向上
2017年12月11日 06:00
インフルエンザの重症化を予防するためにはワクチンを接種することが望ましいが、忙しい毎日のなかでついつい忘れてしまうことも。携帯電話にワクチン接種を促す通知を送ることでワクチン接種率が向上するという研究結果が報告された。お知らせを受け取った人は受け取らなかった人よりも39%接種率が高かった。
親へのメッセージで子供の接種率が向上
この研究は、オーストラリア・カーティン大学のアネッテ・リーガン氏らによりAnn Fam Med(2017; 15: 507-514)に報告された。同国のインフルエンザワクチン接種が始まってから約6週間後の2016年5月に、ハイリスク者の電子医療情報から基本データを取得、ワクチン接種をまだ受けていなかった1万2,354人を、携帯電話にショートメッセージサービス(SMS)でワクチン接種を促すメッセージを送る人(SMS群)と、送らない人(対照群)にランダムに割り付けた。3カ月後に再度データを取得し、接種状況を確認した。
結果によると、SMS群の12%、対照群の9%が期間中にワクチン接種を受けていた。接種率は、SMS群で39%高かった。1人のワクチン接種者を増やすのに、29通のSMSを使い、3.48ドルのコストがかかった。試験開始からワクチン接種までの日数はSMS群の方が短かった。また、親がSMSを受信していた5歳未満の小児は、親が受信していない小児より2.4倍も接種率が高かった。
SMSによるワクチン接種のリマインド通知が有効であることが示される一方で、研究グループは「情報の送信者、情報の信頼性、メッセージの内容、送信時期といったことが結果に影響する可能性がある」としている。
(あなたの健康百科編集部)