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死亡率などを抑制する、新・透析法を開発

 2018年01月24日 06:00

 腎臓の働きがあるレベル以下に落ちてしまった患者には血液透析を行うことになるが、血液透析患者は年間死亡率約10%と、生存率が低いことが大きな課題である。東北大学大学院医科学研究科附属創成応用医学研究センター特任教授の中山昌明氏らは、心不全や心筋梗塞などの心血管合併症発生や死亡が一般的な方法よりも低い、新しい血液透析法を開発した。5年間の臨床試験行い、心血管合併症と死亡が41%抑制できた結果を報告した(Sci Rep2018; 8: 254)。新しい血液透析法として、臨床での普及が期待されている。

水素分子の力を活用?

 血液透析は、患者の血液を体外に取り出しダイアライザーと呼ばれる透析器に通し、老廃物や余分な水分などを透析水に移すことで、血液を浄化している。東北大学の研究グループが開発した血液透析法は、透析水に電解水を使用するものだ。電解水は水を電気分解して生成したもので、水素分子が含まれていることが特徴。水素の働きで体の酸化や炎症を抑える効果があるといわれている。整水器メーカーの日本トリムと共同で開発を進めている。

 研究グループは、国内7施設で電解水透析を161例、一般的な透析を148例において行った。すると、平均3.28年の観察期間中に、91件の心血管合併症と死亡が見られた。内訳は、電解水透析41件、一般透析50件で、電解水透析例が41%抑えられていた。

 また、電解水透析では、透析後の高血圧の改善、降圧薬の減量というメリットも確認できた。透析の効果や安全性に関しては、どちらも変わらなかった。

(あなたの健康百科編集部)

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