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眼でパーキンソン病が診断可能に?

 2018年08月31日 06:00

 眼の網膜の厚さを観察することで、初期のパーキンソン病を見つけられる可能性を示す研究成果が報告された。パーキンソン病は神経伝達物質のドパミンを作る細胞が脱落することで起きるが、初期のパーキンソン病患者では目の網膜が薄いほどドパミン産生細胞の脱落が進んでいた。網膜が薄いほどパーキンソン病の重症度も高かった。詳細はNeurology(2018年8月15日オンライン版)に掲載された。 

治療のモニタリングにも応用可能

 この研究を行ったのは、Seoul National University Boramae Medical CenterのJee-Young Lee氏らの研究グループ。

 パーキンソン病と診断されてから2年以内で未治療の49例(平均年齢69歳)と、年齢をマッチさせたパーキンソン病でない54例を比較。眼の網膜を光干渉断層計(OCT)で計測、パーキンソン病症例のみドパミンの産生をみるためポジトロン断層撮影(PET)やMRIによる検査を行った。

 その結果、パーキンソン病症例では、5層ある網膜のうち内側から2層目が薄くなっていることが分かった。これがドパミンを産生する脳細胞の脱落と関係しており、また網膜が薄いほどパーキンソン病の重症度が重かった。

 Lee氏は「今後は、網膜が薄くなることとドパミン産生脳細胞の脱落の関係を明らかにする大規模な研究が必要だ。はっきりすれば、網膜の検査で早期にパーキンソン病を発見でき、正確な治療モニタリングが可能になるかもしれない」と話している。

(あなたの健康百科編集部)

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