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治療の主役は患者 薬と上手に付き合うための情報源はコレ!

 2018年11月07日 06:00

 病気になると、医師や看護師、薬剤師など、さまざまな医療者が関わってチームを作り、治療に当たる。しかし、チームの一番のコアメンバーは、実は他でもない患者自身だ。例えば薬を飲んでいて副作用が出たとき、早く気づけば重症化を防げるが、微妙な体調の変化にいち早く気づけるのは患者だ。とはいえ、専門知識を持たない患者は、どう医療に関わっていけばいいのだろうか。シンポジウム「知っておきたい『くすり』の話」(10月21日・東京 主催:一般社団法人くすりの適正使用協議会 共催:独立行政法人医薬品医療機器総合機構)が開かれ、薬とうまく付き合うためのこつが解説された。

まずはクイズで薬に関する知識をチェック!

 小手調べに、薬の飲み合わせや使い方の基本をおさらいしてみよう。答えはこの記事の末尾へ。

Q1. 薬は牛乳やジュースで飲んでもいいか?

Q2. 血をサラサラにする薬として、ワルファリンカリウムを飲んでいるとき。納豆は食べないように言われているが、味噌汁に入れて煮てしまえば大丈夫?

Q3. 1日3回、毎食後に1錠ずつ飲んでいるかぜ薬。夕食後に昼食後の分を飲み忘れたことに気づいたらどうする?

Q4. 目薬をさした後、目をパチパチする方がいい?しない方がいい?

Q5. 子どもがかぜをひいた。ママ用の薬が余っていたので、量を減らして子どもに飲ませてもいい?

Q6. 高熱が出て病院を受診し、出してもらった薬を飲んだ。何回か飲んで熱は下がったけれど、薬が残っていたら飲まなくてもいい?

Q7. 薬の袋に「食間」と書いてあったら、いつ飲む?

薬が処方されるのは、メリットが非常に大きいとき

 次に、副作用について考えてみよう。薬は、副作用が起こったときのデメリットより、命や生活への悪影響を防ぐメリットの方がはるかに大きいと判断された場合に、処方される。その際、副作用が起こる割合や、起こったときの影響の大きさといったことを含めて、慎重に検討されている。副作用が怖いからと自己判断で服用を止めてしまうと、メリットを得られないことになる。

 もし副作用が起きても、すぐに対応すれば多くは重症化せず回復する。それには、自分で体調の変化に早く気付き、医師や薬剤師に相談することだ。相談する際は、こちらのポイントを押さえておくと、伝わりやすい。気になることをメモしておいてもいいだろう。

★他病院や他科、市販薬を含め、現在飲んでいる薬とサプリメントをすべて伝える
★過去の薬による副作用・アレルギー歴を伝える
★薬を飲んだあとに起こった、いつもと違う症状を伝える

 なお、副作用によって入院したり、日常生活に大きな影響があった場合は、救済制度がある。医薬品副作用被害救済制度(http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/index.html)のホームページも確認してほしい。

正しい情報を信頼できる情報源から得る

 大事なことは、信頼できる情報源から、情報を得ることである。病院や公共図書館の医療情報コーナー、医師はもちろん、かかりつけの薬局・薬剤師を持っておくことが効果的である。かかりつけ薬局・薬剤師がいると、これまで処方された薬の履歴を管理してくれるメリットもある。また、おくすり手帳を持っていると、家族と情報を共有できて便利だ。

 副作用や薬を飲んだ後に注意すべき体調の変化等、自分でも調べたいというときは、以下のようなサイトが参考になるので、活用してみてほしい。

 


■参考リンク

薬の副作用等についてまとめたサイト

【医薬品から調べる】
●一般社団法人くすりの適正使用協議会「くすりのしおり®」
http://www.rad-ar.or.jp/siori/
●独立行政法人医薬品医療機器総合機構「患者向医薬品ガイド」
http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/items-information/guide-for-patients/0001.html

【副作用から調べる】
●厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/
topics/tp061122-1.html

薬に関する情報をまとめたサイト

【薬全般について】
●一般社団法人くすりの適正使用協議会
https://www.rad-ar.or.jp/
●独立行政法人医薬品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/

【がんの治療について】
●国立がん研究センター「がん情報サービス」
https://ganjoho.jp/public/index.html

【妊娠中の服薬について】
●国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」
https://www.ncchd.go.jp/kusuri/


■クイズの答え
A1. コップ1杯の水やぬるま湯で飲むのがおすすめ。コップ1杯程度の水分を飲むと、食道などに引っかからず胃まで届きやすい。牛乳やジュースは薬の吸収が悪くなり、効果が出なかったり、ジュースの成分によっては副作用が出やすくなるものもある。

A2. 煮てもダメ。納豆菌は発酵過程でビタミンKを作り出す。食べると血中のビタミンKも増えるが、これがワルファリンカリウムの作用を邪魔して薬の効果が出にくくなることがある。納豆菌は加熱しても死なない。

A3. いつも通り1錠飲む。一度に2回分飲むと、副作用が強く出る可能性がある。高血圧など長期的に飲む薬で飲み忘れが多い場合は、自分のライフスタイルに合っていないかもしれない。薬剤師に相談すると、飲みやすい薬に変えてもらえることがある。

A4. パチパチしない方がいい。目薬が涙と一緒に流れてしまい、効果が十分得られない可能性があるため。正しくは、目薬をさす前に手を洗い、容器が目やまぶた、まつげに触れないように注意してさす。1分ほど静かに目を閉じ、目頭を軽く押さえる。複数の目薬をさすときは、化学反応を起こさないように5分以上間隔をあける。

A5. 医師に処方された薬は、本人以外使ってはダメ。市販薬の場合は、添付文書に書かれている年齢や体重に従って飲む。

A6. 薬による。抗菌薬(抗生物質)は一定期間飲み続けないと、病気の原因となった菌に薬の耐性ができてしまい、薬が効かなくなることがある。

A7. 食後2~3時間経ってから。空腹状態で飲むと吸収されやすい薬や、胃の粘膜を保護する薬などが「食間」となる。

(あなたの健康百科編集部)

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