性的に活発な高齢者は幸福度が高い
2019年01月16日 06:00
セックスやキス、愛撫といった性的活動を活発に行っている高齢者は幸福度が高い−このような結果が、英国の大規模研究で明らかにされた。研究を行ったのはアングリア・ラスキン大学のLee Smith氏らのグループ。50〜89歳の男女約7,000人を対象に性的活動と生活の楽しさとの関連を検討したところ、性的に活発な高齢者は、そうでない高齢者と比べて、"生活の楽しみ(Enjoyment of Life;EOL)スコア"が高かったという。詳細は医学誌「Sexual Medicine」(2018年12月12日オンライン版)に掲載されている。
男性ではセックス、女性ではキスや愛撫が幸福度と関連
Smith氏らは、英国縦断的加齢研究(English Longitudinal Study of Ageing;ELSA)に参加した男性3,045人(平均年齢64.4歳)と女性3,834人(同65.3歳)のデータを解析し、過去1年間の性的活動(セックス、自慰、キス、愛撫など)とEOLスコアとの関連を検討した。EOLスコアは、高齢者の生活の質を評価するために開発されたCASP-19という質問票を用いて算出した。
その結果、過去1年間に性的活動が活発だった男女はそうでない男女に比べ、EOLスコアがより高かった。性的に活発な男性では、頻回(月2回以上)のセックス、キス、愛撫がより高いEOLスコアと関連していた。性的に活発な女性では、頻回のキスや愛撫は高いEOLスコアと関連していたが、頻回のセックスとEOLスコアとの間には関連は見られなかった。頻回の自慰は、男女ともEOLスコアの高さと関連していなかった。
また、性生活の満足度は男性ではEOLスコアと関連していたものの、女性では関連がなかった。しかし、性的活動時にパートナーに対して抱く親密な感情は、男女ともに高いEOLスコアと強く関連していた。
性生活に関する懸念や性機能に関する問題(男性:勃起および勃起維持の困難さ、男女:オルガズム達成の困難さなど)は、男女ともにEOLスコアの低値と強く関連していた。
「高齢者の性的活動と、その際パートナーに抱く親密な感情は、男女にかかわらずより大きな生活の楽しみと関連していていた。その一方で、生活の楽しみと関連する性的活動の内容は、男女で異なることが分かった」と研究グループは述べている。
(あなたの健康百科編集部)