「風疹予防接種を受けようぜ」byシティーハンター冴羽獠
2019年02月05日 06:00
©北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会
厚生労働省は、先天性風疹症候群の発生予防のため、これまでに風疹の予防接種を受ける機会がなかった男性が2020年まで無料で接種を受けられることを決定した。この対策について、より多くの対象男性(1962年4月2日〜1979年4月1日生まれ)に告知し、風疹の抗体を獲得してもらうため、同省は『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』とコラボレーション。ポスターやリーフレットの作成、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などを通じた啓発活動を行うと発表した。
先天性風疹症候群は予防が可能な先天異常
風疹ウイルスに免疫がない女性が妊娠初期に風疹にかかると、ウイルスが胎児に感染して、出生児が先天性風疹症候群になることがある。主な症状は先天性心疾患、難聴、白内障など。同症候群は、予防接種によって予防が可能な数少ない先天異常で、妊娠可能年齢の女性に限らず風疹抗体がない場合には、積極的に予防接種で免疫を獲得しておくことが望まれる。
厚労省は「早期に先天性風疹症候群の発生をなくすとともに、2020年までに風疹の排除を達成すること」を目標としている。先天性風疹症候群の発生を防ぐためには妊婦への感染を防止することが重要で、妊娠出産年齢の女性や妊婦の周辺の者(家族・友人・同僚など)に免疫をつけてもらう必要がある(妊婦は予防接種を受けられない)。そこで、予防接種を受ける機会が一度もなかった年齢層の男性を対象に、定期接種を行うこととした。
対象男性は抗体検査、予防接種ともに原則無料
風疹予防接種の対象男性はまず、免疫の有無を調べる抗体検査を受ける必要があるが、市区町村が配布するクーポンを使用すれば、2022年3月末までの間は原則無料で抗体検査と予防接種が受けられるようになる。
『シティーハンター』は1985〜91年に週刊少年ジャンプに連載された人気マンガ作品。厚労省は「『シティーハンター』はマンガだけでなく、アニメ、映画など多岐にわたってコンテンツが展開されている。対象男性はマンガの連載、アニメの放送を見ていた世代と考えられるため、風疹対策の強い訴えかけになることが期待される」としている。
今回のコラボレーションでは、ポスター、リーフレットの他、『劇場版シティーハンター』の公式サイトやツイッターなどを通じて、風疹の感染予防に関する情報を発信していく。ポスターとリーフレットは、2月上旬をめどに全国の自治体、関係団体に配布する予定。
(あなたの健康百科編集部)