用事の無い休日は、リビングのソファや座椅子にじっと座って、一日中ダラダラとテレビを見続けてしまいがち、なんて人も多いのではないだろうか。しかし、そんな過ごし方が、大腸がんを発症するリスクを高める可能性があったとしたら--。このたび、医学誌JNCI(Journal of the National Cancer Institute)に発表された報告(2019年1月25日)によると、座ってのテレビ視聴時間が1週間あたり7時間を超えると、若年性大腸がんの発症リスクが増加することが分かったという。
座ってのテレビ視聴、長時間で大腸がんに!?
schedule 2019年02月26日 公開
週14時間以上で69%増
近年、50歳未満の若年性大腸がんは世界的に増加傾向にある。大腸がんは、若年で罹患する方が攻撃的で、進行した段階で発見されることが多いため、より長い余命を奪う結果となっている。しかし、こうした傾向にも関わらず、若年性大腸がんに特化したリスク因子はほとんど明らかになっていない。
そこで研究グループは、米国の看護師を対象とした大規模疫学研究(Nurses' Health StudyⅡ)に登録された25〜42歳の女性89,278人を対象に、座ってテレビを視聴する時間と若年性大腸がんを発症するリスクとの関係を調べた。
その結果、118人が若年性大腸がんを発症。テレビの視聴時間が1週間当たり7.1〜14時間の人は、7時間以下の人と比べ若年性大腸がんを発症するリスクが12%上昇していた。さらに、14時間以上の人では7時間以下の人と比べ69%も上昇していた。これは、BMI(体格指数)や身体活動、家族の大腸がん発症歴とは関係が無かった。
以上の結果について、研究グループのYin Cao氏らは「BMIおよび身体活動と無関係であったという事実は、座りがちなことが若年性大腸がんの明確なリスク因子である可能性を示唆している」とコメントしている。
(あなたの健康百科編集部)

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