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知らない間に飲まない方がいい薬を飲んでいた?!市販薬を選ぶコツって?

 2019年03月05日 06:00

 例えば、ある薬を飲んでから、じんましんが出るなど体調に変化があったとき。病院で「薬の副作用かもしれない。何の成分が入っていたか」と聞かれたら、あなたは正確に答えられるだろうか。ドラッグストアなどにずらりと並ぶ市販薬(OTC)は身近な存在だが、OTCに関する正しい情報を入手するのは、意外と難しい。そこで、医療健康情報の発信方法を学び合う一般社団法人・メディカルジャーナリズム勉強会によるシンポジウムで平憲二氏(内科医)、kuriedits氏(薬剤師)が行った発表から、OTC情報に対する注意点や、患者がより良い医療を受けるために取るべき対応について、ポイントをまとめた。

『SNS時代の「#あたらしいクスリ情報」のカタチ~セルフメディケーション時代の"市販薬リテラシー"を考える』(1月25日・千代田区)

1.OTCの名前、成分の名前には注意

 2014年に話題となった、デング熱の報道について紹介しよう。当時、あるテレビのニュースでは、急な発熱や頭痛を感じて「ロキソニン」「アスピリン」を服用すると、血小板の機能が低下して出血が止まりにくくなり、症状が悪化する場合があると報じていた。ロキソニンというのは製品のブランド名になるが、この薬剤に含まれるロキソプロフェンという成分が、症状悪化につながるという。しかし、現在はロキソニン以外にもロキソプロフェンが含まれた薬剤(「エキセドリンLOX」や「バファリンEx」など)が複数ある。このニュースは現在もインターネットで閲覧できるが、「ロキソニンを避けて」と言われた患者は、ロキソプロフェンが含まれた他の薬剤を服用するかもしれない。

 また、アスピリンは薬の成分の名前だが、OTCの添付文書や箱に記載された成分名を見ると、アセチルサリチル酸と表示されることが多い。知識がないと、アスピリン=アセチルサリチル酸と分からず、アスピリン製品を服用してしまうことも考えられる。

2.1つの薬にはいろいろな成分が入っている

 別のウェブサイトの記事では、デング熱で解熱薬を服用するときは、アセトアミノフェンを含むものが良いとし、例として「ノーシン」などの薬剤を挙げていた。しかし、ノーシンにはアセトアミノフェンも含まれているが、エテンザミドという成分も含まれている。これは非ステロイド抗炎症薬(NSAID)の一種であり、厚生労働省は当時、デング熱に対してNSAIDを使用すべきてないと通知していた。OTCの多くはこのように複数の有効成分が入っており、「この成分が含まれた薬」でなく、「この成分が含まれていない薬」を探さなくてはいけない。また、NSAIDのことを、アセトアミノフェンなどを含めた定義で説明しているサイトや書籍もある。混乱を招きやすい状況になっており、この点にも注意が必要である。

3.依存症を引き起こす恐れのある薬も

 処方箋なしに、ドラッグストアで誰でも買える売れ筋の感冒薬や咳止めなどには、リン酸コデインやエフェドリンなど、依存性や精神神経系に影響を及ぼす恐れのある成分が配合されているものがある。使い方には特に気を付けなくてはいけない。

4.「私に合う薬はどれか?」を専門家に相談する

 このように、情報を正確に把握することが難しいOTCを、上手に使うにはどうしたらいいか。それはテレビやウェブなどで入手した情報を、薬剤師に実際に確認してみることだ。医療は個別性の高いサービスであるため、手に入れた情報が、必ずしも自分に当てはまるとは限らない。「こう聞いたけれど、私にはどうか」と相談することが、より良い医療を受けられることにつながるのだ。

 よく勉強している薬剤師ほど、質問されると熱心に答えてくれるもの。信頼できる専門家を見つけて、OTCとうまく付き合ってみよう。

(あなたの健康百科編集部)

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