あまり知られてはいないが、実はアルコール依存症は肝臓への悪影響だけでなく、若年者の認知症、乳がんや食道がんなどの各リスクを上昇させる可能性が指摘されている1), 2),3)。日本には、アルコール依存症で治療中の人から、心身に自覚症状がなくても多量飲酒をしている危険状態の人まで含めると、およそ1,000万人が存在するという。原則として「断酒」を目指すアルコール依存症治療だが、筑波大学医学医療系地域総合診療医学准教授で、同大附属病院総合診療科の吉本尚氏が今年1月に開設した「飲酒量低減外来」では、必ずしも断酒にこだわらず、いわばお酒との上手な付き合い方を目指すのが特徴のようだ。吉本氏を訪ね、話しを聞いた。