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脳卒中は夏の病気? 今月25日から脳卒中週間

 2019年05月10日 06:00

 全国で毎年25万人以上が発症していると推測される脳卒中。日本人の死亡原因の第3位で、要介護や寝たきりの原因としては第1位の疾患だ。日本脳卒中協会では、一般市民の脳卒中に関する知識を高め、予防や早期受診につなげようと、毎年5月25~31日を脳卒中週間とし、啓発活動を行っている。しかし、脳卒中といえば冬の病気というイメージが強い。わざわざ夏に向かうこの時期を脳卒中週間に決めたのはなぜだろうか。

脳梗塞は気温上昇時にも急増

 その答えを日本脳卒中協会の公式サイトから引用すると、「脳卒中の大部分を占める脳梗塞の発症が年間では春に少なく6~8月から増加する」ため。脳卒中は夏から気を付けなければならないという警告の意味で、この時期を脳卒中週間に決めたと説明している。

 同協会が「脳梗塞は6~8月から増加する」とする根拠は、旧厚生省研究班の研究だが、ここでは別の研究を紹介しよう。2002~08年に全国の労災病院に入院した全脳卒中患者4万6,000人を対象にしたもので、脳卒中の月間発症数の変動を病型別に検討している。

 それによると、脳出血は夏に少なく、冬に多発、くも膜下出血も夏に少なく、秋から冬に多発しており、「脳卒中は冬の病気」というイメージ通りの実態であった。

 一方、脳梗塞のうち、ラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞については、12~1月に1つのピークがあるものの、4~7月の気温上昇時にも急増していた。

脳卒中週間中には各地で市民公開講座

 日本脳卒中協会では、脳卒中予防の要諦を5・7・5調で口ずさみやすい「脳卒中予防十か条」としてまとめている。そこでは特に重要な脳卒中の危険因子として、高血圧、糖尿病、不整脈(心房細動)、喫煙、過度の飲酒、高コレステロール血症などが挙げられている。また、脳卒中週間中には、各地で市民公開講座が開催される。これらの情報は同協会の公式サイトで見ることができる。

「脳卒中は冬と夏の病気」というイメージを持ち、まさにこれからの時期、知識を高め、予防に努めてはどうだろうか。

(あなたの健康百科編集部)

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