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「超加工食品」で高まる心血管疾患リスク

 2019年07月02日 06:00

 さまざまな添加物が含まれ、工場などで大量生産されている「超加工食品」。フランスとブラジルの共同研究グループは、超加工食品と心血管疾患(心臓や血管の病気)のリスクとの関連を、一般住民を対象に検討。その結果、超加工食品を多く食べる人は、心血管疾患を発症するリスクが高まると報告した。研究の詳細は、医学誌BMJ2019; 365: l1451)に掲載されている。

がんや高血圧以外に、心血管疾患のリスクにも

 超加工食品とは、食品添加物や保存料を含む大量生産の食べ物で、その消費量は多くの国で増加傾向にある。一方で、これまでに超加工食品の摂取と肥満や高血圧、がんなどのリスク上昇に関連が認められたとする研究結果が報告されている。

 研究グループは今回、フランスの一般住民が参加した疫学研究「NutriNet-Santé study」のデータを用いて、超加工食品と心血管疾患のリスクとの関連について検討した。対象は、疫学研究登録時に心血管疾患がなく、1日の食品摂取頻度調査のデータが複数回分(平均5.7回分)ある18歳以上の男女10万5,159人(平均年齢43歳、女性79%)。調査した3,300品目の食品を、NOVA分類(食品を加工の度合いによって4つのグループに分類)に基づき分類した。追跡期間は5.2年間(中央値)だった。

 解析の結果、食事に占める超加工食品の割合が10%上昇するごとに、全ての心血管疾患で12%、心筋梗塞などの冠動脈疾患で13%、脳梗塞などの脳血管疾患で11%のリスク上昇が認められた。一方、未加工またはほとんど加工されていない食品の摂取は、これらの病気の発症リスクを低下させた。

 研究グループは「今回の研究で示された超加工食品と心血管疾患リスクとの関連には、商品に含まれている栄養成分や添加物の他、包装に使われる材料や調理の過程でつくられる化学物質などのさまざまな要因が関与している可能性がある」と考察。また、超加工食品が心血管疾患だけでなく、高血圧やがんなどの慢性疾患に関連するとの報告もあることから、「超加工食品の摂取を控え、代わりに未加工の食品や加工度が低い食品の摂取を増やすことが奨励されるべき」としている。

(あなたの健康百科編集部)

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