子供服にプリントされた、ドーナツやアイスクリームなどのイラストや絵柄。アパレルショップでよく見かけるこれらが、私たちの"食事"に影響を及ぼしているかもしれない。米・University of MichiganのMegan H. Pesch氏らは、こうしたいわゆる"フードグラフィック"が特に女児の服で一般的に使われており、子供の食行動に影響を与える可能性があると、Eat Behav(2019; 34: 101303)で指摘している。
子供服のデザインが食行動に悪影響?
schedule 2019年07月16日 公開
女児の服は甘い食べ物、男児の服は塩味の食べ物がデザインされやすい
Pesch氏らは、主要なアパレル小売業者のウェブサイトから子供服のデザインを分析し、①アパレル商品の特徴とフードグラフィックの関連性②各種アパレル商品におけるフードグラフィックの有無と服装が男児、女児どちら向けかという点との関連性-について調査した。
その結果、アパレル商品3,870点のうち、318点(8.2%)にフードグラフィックが描かれており、その割合は男児に比べ女児の方が約1.7倍高かった。
また、女児の服には男児の服と比べて、ケーキ・タルトなどの甘い菓子類(女児33% vs. 男児12%)、冷凍デザート(20% vs. 9%)、フルーツ(30% vs. 11%) など、甘い食べ物が多く描かれていた一方で、ピザ(9% vs. 30%)、ファストフード(3% vs. 23%)の割合は少なかった。
食べ物の好みや食行動は成人期まで持続する
以上の結果、フードグラフィックは特に女児の衣服でかなり一般的であることが分かった。Pesch氏は「子供を歩く広告塔にすることで、不健康な食品が強くアピールされる。子供や親などに、不健康な食品を取っても良いというメッセージが送られ続ける恐れもある」と指摘している。
同氏らは、さらに「子供のころに確立された食べ物の好みや食行動は、成人後も持続するという研究結果もある。フードグラフィックの服を着た子供たちが、その絵柄によって食べ物の好みに影響を受けるとすれば、今後の研究で検討すべきである」と述べている。
(あなたの健康百科編集部)

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