サリドマイドという薬剤を耳にしたことはあるだろうか。妊娠初期に服用すると子の手足などに奇形を来すという副作用が発覚したため販売が中止された薬剤だが、その後、多発性骨髄腫(血液がんの一種)などに効果があることが分かり、現在は厳格な管理の下で投与されている。しかし、サリドマイドが奇形を引き起こすメカニズムは不明であった。東京医科大学、東京工業大学、イタリア・ミラノ大学から成る国際共同研究グループは、サリドマイドによる奇形が「p63」という蛋白質の分解によって引き起こされることを明らかにし、英科学誌Nature Chemical Biology2019年10月7日オンライン版)に報告した。