父母兄弟に糖尿病の家族歴がある女性で骨密度が増加
2019年11月06日 10:00
第一度近親者(両親、兄弟姉妹、子供)に糖尿病の家族歴がある人では、内分泌や骨代謝などに関する代謝性疾患、心臓病、脳卒中の発症リスクが高まることが指摘されている。中国の研究グループは、第一度近親者に糖尿病の家族歴があり、本人は正常血糖値の閉経後女性と骨密度の関連性を調査したところ、骨密度が増加していたという意外な研究結果をMenopause( 2019 年8月19日オンライン版)に発表した。
糖尿病の家族歴がない人に比べて骨密度の増加は明らか
研究に参加したのは、血糖値が正常な閉経後女性892人。第一度近親者の糖尿病家族歴の有無でグループ分けし、腰椎と大腿骨頸部の骨密度を測定した。また、血糖値や空腹時血漿インスリン、インスリンが正常に働かない状態であるインスリン抵抗性についても調べた。
検討の結果、第一度近親者に糖尿病の家族歴がない人に比べある人では、腰椎と大腿骨頸部の骨密度が明らかにに高かった。さらに、骨密度の高さはインスリン抵抗性、高インスリン血症があることと関連していた。
研究グループは「親兄弟に糖尿病患者がいる血糖値が正常な閉経後の中国人女性では、インスリン抵抗性、高インスリン血症が生じるとともに骨密度が増加することを示唆している」と述べている。
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