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白い炭水化物の食べ過ぎで眠れなくなる?

 2020年01月07日 06:00

 白砂糖、白パン、白米などの精製された炭水化物、いわゆる「白い炭水化物」を食べ過ぎると不眠症になるかもしれない−。白い炭水化物好きにはショッキングな研究結果を、米・コロンビア大学精神医学助教授のJames E. Gangwisch氏らが報告した。この研究は閉経後の女性を対象に行われたもので、白い炭水化物の摂取量が多い人ほど不眠症を発症しやすいことが分かったという。詳細は医学雑誌American Journal of Clinical Nutrition2019年12月11日オンライン版)に掲載されている。

果物、野菜をたくさん食べると不眠症予防になる可能性

 白い炭水化物はグリセミック指数(GI:炭水化物が糖に変わるまでの速さを表したもので、高いほど血糖値を急に上げる)が高いため、たくさん食べると血糖値の急上昇および反動により急激な血糖降下を引き起こすと考えられている。こうした血糖値の乱高下はアドレナリンやコルチゾルといった覚醒に関わるホルモンの分泌を促進し、睡眠に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。

 そこでGangwisch氏らは、白い炭水化物の過剰摂取は不眠症と関連すると仮定。これを検証するため、米国で行われた閉経後女性の健康に関する大規模研究(Women's Health Initiative)に参加した5万人超の食事データを収集し、各食品の摂取量と不眠症の関連を分析した。

 その結果、GIが高い食事は、不眠症の発症しやすさと関連していることが分かった。食事のGIの程度で参加者を5つのグループに分けて検討したところ、GIが最も高い第5グループが不眠症を発症する確率は、最も低い第1グループの1.16倍だった。特に添加糖類、澱粉、精製穀物(白パン、白米など)を多く食べる人ほど、不眠症を発症しやすかった。一方で、果物(ジュースにしていない状態のもの)、野菜をたくさん食べている人は不眠症になりにくいことが明らかになった。

 以上から、同氏らは「閉経後の女性において、白い炭水化物は不眠症のリスクを高める可能性が示された。白い炭水化物摂取後の血糖値急上昇はほとんどの人で起きることを踏まえると、今回の結果は閉経後女性に限らず、幅広い集団に当てはまるのではないか」と結論。「精製炭水化物を精製されていないもの(玄米、ライ麦パンなど)に置き換えることが不眠症を予防、あるいは改善するための有用な手段となりうるかについて、今後検討する必要がある」と指摘している。

(あなたの健康百科編集部)

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