お茶を飲む習慣があると心疾患リスクが低い
2020年01月28日 06:00
週3回以上お茶を飲む習慣がある人は、そうでない人と比べてより健康で、長生きできるかもしれない。中国・Chinese Academy of Medical SciencesのXinyan Wang氏らが行った研究によると、お茶の中でも緑茶では健康/長生きへの効果が認められたものの、紅茶では認められなかったという。この研究はEuropean Journal of Preventive Cardiology(2020年1月9日オンライン版)に掲載された。
緑茶で見られた効果が紅茶では得られず
Wang氏は今回、中国における動脈硬化性心血管疾患リスク予測プロジェクトに登録された心臓発作、脳卒中、がんの既往歴のない10万902例を対象とした。対象は、お茶を飲む習慣により、週3回以上飲んでいる「お茶を飲む習慣がある群」と週3回未満の「お茶を飲む習慣がない群」に分けられ、中央値で7.3年追跡された。
その結果、お茶を飲む習慣がある群では、お茶を飲む習慣がない群と比べて心疾患と脳卒中リスクが20%、致死的な心疾患と脳卒中リスクが22%、なんらかの原因による死亡リスクが15%低かった。
また、習慣が変わったことによるこれらリスクの影響を調査するため、対象のうち1万4,081例を、引き続きお茶を飲む習慣がない群、お茶を飲む習慣を始めた/やめた群、お茶を飲む習慣を継続する群に分けて平均で8.2年間の追跡結果を見たところ、お茶を飲む習慣を継続する群では、その他の2群と比べて心疾患と脳卒中リスクが39%、致死的な心疾患と脳卒中リスクが56%、なんらかの原因による死亡リスクが29%低かった。
なお、お茶の種類別に見ると、緑茶を飲むことと心疾患や脳卒中、死亡の低下と関連していたが、紅茶ではその関連が認められなかった。
これらの結果について、同氏は「われわれの研究ではお茶を飲む習慣の49%が緑茶であり、紅茶はわずか8%と少なかったこと、また緑茶は心血管疾患の予防に有用なポリフェノールが豊富な一方で、紅茶は製造過程でその長所が失われている可能性があること、さらに紅茶はミルクとともに飲まれることが多く、そのことがお茶の持つ血管への良い影響を打ち消している可能性がある」と指摘している。
(あなたの健康百科編集部)