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心房細動患者、やめた方がいい習慣とは?

 2020年02月10日 06:00

 心房細動患者は、ある習慣をやめることで再発が予防できるかもしれない。オーストラリア・アルフレッド病院ハートセンターのAleksandr Voskoboinik氏らが心房細動患者を対象に行った研究から、特定の習慣をやめるよう指導したグループでは、継続させたグループよりも再発率が低いとの結果が示された。詳細は医学雑誌New England Journal of Medicine2020; 382: 20-28)に掲載されている。

140人の患者を6カ月間調査

 心臓が不規則に動き、動悸や息切れ、めまいなどの症状が現れる心房細動。不整脈の中で最も頻度が高く、世界で3,300万人が罹患していると推定され、脳卒中の主要な原因として知られている。心房細動のリスクを高める要因には加齢や喫煙、ストレス、睡眠不足などさまざまあるが、Voskoboinik氏らが注目したのは飲酒である。過去の調査から、アルコールの大量摂取が心房細動の発症と関連することが示されている。同氏らは今回、飲酒習慣のある心房細動患者が禁酒をした場合、再発予防にどのような影響を及ぼすかについて検討した。

 研究の対象となったのは、1週間当たり10ドリンク(1ドリンク=純アルコール量およそ12g、ビール約300mL、ワイングラス1杯)以上飲酒する習慣があり、試験開始時に不整脈が認められなかった心房細動患者140人(男性85%、平均年齢62±9歳)。禁酒を促すグループ(禁酒グループ)と、従来通りの量の飲酒を継続するよう勧めるグループ(飲酒継続グループ)に1:1でランダムに割り付け、6カ月間追跡調査を行って心房細動の再発、心房細動時間(心房細動が生じていた時間の割合)などを調べた。

 その結果、禁酒グループでは1週間当たりのアルコール摂取量が試験開始前の16.8±7.7ドリンクから、6カ月後には2.1±3.7ドリンクへと平均で14.7ドリンク減少した。禁酒グループで完全に禁酒できたのは43人(61%)だった。一方、飲酒継続グループでもわずかながらアルコール摂取量の減少が見られた(16.4±6.9ドリンク →13.2±6.5ドリンク、平均3.2ドリンク減少)。

 心房細動の再発は禁酒グループで37人(53%)、飲酒継続グループで51人(73%)に認められた。解析を行ったところ、心房細動再発までの期間は飲酒継続グループに比べて禁酒グループで長かった。また、心房細動時間は禁酒群で短いことも分かった(0.5%対1.2%)。

 同氏らは「今回の研究において、禁酒を勧められた心房細動患者は1週間当たりの飲酒量が大幅に減り、心房細動の再発と心房細動時間が減少した」と結論。心房細動の原因の中でも、定期的な飲酒は改善可能な習慣の1つである点を強調している。

(あなたの健康百科編集部)

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