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未破裂脳動脈瘤―くも膜下出血の危険

 2023年11月20日 13:15

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赤い部分はくも膜下出血の様子。血管の分岐部にできた未破裂脳動脈瘤が破裂した様子(右上)

 脳動脈瘤(りゅう)は脳の血管(動脈)にこぶのような膨らみができたもの。発見時に出血(破裂)の兆候のないものを未破裂脳動脈瘤と呼ぶ。昭和大学(東京都品川区)脳神経外科の水谷徹医師は「脳ドックを受診した成人4000人以上を対象にした調査から、約4・3%に未破裂脳動脈瘤が見つかりました」と話す。

▽ほとんどは無症状

 未破裂脳動脈瘤は、脳の中の血管が枝分かれする分岐部にできる。「もともと構造的に弱い分岐部に血流が当たり続ける圧力で膨らんでくると考えられます」と水谷医師。脳ドック受診や頭痛、めまいなどで磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受けた際に見つかることが多い。加齢とともに増え、高血圧、喫煙、大量飲酒、遺伝的素因などが破裂の危険因子になる。

 大半は無症状だが、大きくなった動脈瘤が神経を圧迫し、物が二重に見えたり、まぶたが開きづらくなったりするといった症状が表れることも。

 もし脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血を起こす。「脳の硬膜(脳脊髄を包んでいる硬い膜)より内側の部位で、直径3ミリ以上あると破裂する可能性があります。未破裂脳動脈瘤が発見された場合、サイズ、形状、できた部位、患者の年齢などによって治療するかどうかを検討します」

▽治療は2種類

 治療は頭蓋骨を開けて、動脈瘤の根元をクリップで挟んで閉塞(へいそく)させる方法と、太ももの付け根の血管から医療用の管(カテーテル)を入れて治療する「脳血管内治療」がある。開頭術は患者の体の負担は大きいが、再発の可能性はほぼない。

 脳血管内治療は、カテーテルを通して軟らかく細いコイルを脳動脈瘤の中に流し込む。コイルで脳動脈瘤の中を満たし、血液の流れ込む隙間をなくすことで破裂を防ぐ。間口の広い動脈瘤の場合はステント(金属製の網状の管)を併用する場合がある。しかし、ふさいだ部位に再び血液が流れ込み、一定の割合で再発が起こる。

▽新たな治療が登場

 そこで近年、新たなステント治療「フローダイバーター」が登場した。従来の物よりもさらに目の細かいステントを血管内に留置して、動脈瘤内を血液をゆっくりと血栓(血の塊)化させることで動脈瘤が完全に閉塞し、破裂の危険がなくなる。根治を目指す治療だが、血が止まりにくくなる抗血小板剤を使用すること、治療適応となる部位や大きさが限られている。

 年齢が比較的若く、体力のある患者では開頭術を検討することが多いという。「脳血管内治療は体の負担は少ないのですが、再発・再治療の可能性もあり、医師は個別の動脈瘤ごとに安全性を優先し、最適な治療法を判断します。患者さんは医師とよく話し合い、納得することが大事です」と水谷医師はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)

   ◇   ◇

 昭和大学病院の所在地 〒142―8666 東京都品川区旗の台1の5の8 電話03(3784)8000

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