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線維筋痛症の闘病体験を基に作詞して楽曲を制作

線維筋痛症学会第7回学術集会監修 学会レポート

 2015年10月10日 11:02
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 日本線維筋痛症学会第7回学術集会(10月3~4日,会長=東京医科大学八王子医療センターリウマチ性疾患治療センター教授・岡寛氏)の市民公開講座「成功体験に基づく線維筋痛症治療」では,疾患に向き合い闘ってきた20歳代と50歳代の患者さんが登壇。20歳代の患者さんは,自らの闘病生活の体験をもとに作詞して制作した楽曲を披露し,50歳代の患者さんは通院加療しながらも新たな職場への転職にチャレンジした経緯について報告した。

曲名は「pain」と「Relief」

 20歳代の患者は線維筋痛症と闘いながら音楽専門学校に通うシンガーソングライター志望の"如月まぁや"さん。

 線維筋痛症の患者さんが何かできることはないかと考えた如月さんは,「私の個性は闘病生活。疾患と向き合ってきた自分のこれまでの経験を歌で表現することで,苦しんでいる患者さんを励ましていきたいと同時に,疾患の認知度を高めるために,世間に広めていきたい」との思いから作詞し,音楽学校の卒業制作として2曲作ったという。

 曲名は「pain」と「Relief」で,つらい時期に疾患と向き合ってきた思いが如実に表されている。

painの音声(動画)と歌詞の一部

Reliefの音声(動画)と歌詞の一部

(如月まぁやさん提供。挿絵は如月さんの高校生時代の同級生が作成)

転職できるまでポジティブになれたきっかけは出会いと支え

 もう1人の登壇者は,通院加療しながら働いている50歳代の患者さんで,現在も保育関係の仕事を続けることができている鍵について体験談を報告した。

 患者さんは,疼痛をはじめ多彩な症状に苦しんでいた。福祉の仕事をしていたが,夏でも手指が冷たくなり痺れてくるので手首を隠す手袋を着用し,パソコン使用時には指先のみを出せる手袋を着けていた。冬でも手袋を着用しながら,体の不自由な方の支援のために身体全てを使って抱きかかえる,車椅子の移動の手伝うといった業務をしていた。筋力が落ちて疼痛を隠しながら介助を行っていたことから,別部位の痛みが発生するなど悪循環に陥っていた。

 ある病院で線維筋痛症と診断され,学会長の岡寛氏の施設を紹介された。「いったい,どんな病気で自分はどうなるのか」と考え,「仕事はどうしたらいいのか。まだ,やるべきことはいろいろある」など,先が見えないマイナス思考に陥っていたが,診療の際に,当時の環境や仕事についての不安や悲しみ・つらさなどを同氏に聞いてもらい,「紹介してくれたドクターに出会わなかったら,うつ病などと診断されていたのでは」と言ってもらったときには,不安感や焦りがなくなり,気分が楽になった。

 同氏,家族の他,さまざまな理解者に支えられてきたことにより,「この病気と付き合って行こう」とプラス思考に転じるようになり,病状も以前より良好になった。もともと,手に職を持ちたいとの思いから保育士の資格を取得していたため,保育園への転職を決意した。保育園の仕事は現在も継続している。

 患者さんは「さまざまな出会いは何か一つのきっかけで生まれる。その出会いによっては,自分の気持ちを黙っていても支えてくれる。それが,この病気と付き合う上で大事なことと感じている」としている。

患者さん自身がセルフマネジメントを実践することが重要
学会長・岡寛氏

顔写真 市民公開講座の参加者は120人以上で,登壇した2人以外にも活発な意見交換がなされた。同学会学術集会会長の岡寛氏は,参加者に疾患を克服するためには治療を受けるだけではなく,学術集会のテーマにしている「Think together」の観点から,患者さん自身,家族,医療者ともに疾患に向き合って病態について理解し,共有していくこと,さらに患者さん自身がセルフマネジメントを実践していくことの重要性を強調した。

闘病生活の長い道のりを乗り越えるのは患者さん自身

 線維筋痛症は疼痛だけでなく精神神経疾患をはじめ多様な症状を呈することから,抑うつ状態なども加わるとデフレスパイラルのように病状が悪化していく。

 治療においては,痛みや睡眠障害,疲労などに着眼した薬物療法,トリガーポイント注射や温熱療法,磁気刺激治療など,網羅的な治療を行っていく。ただし,岡氏は治療の出発点として家族,医療者,そして患者さん自身が疼痛の重症度や症状の詳細について理解して疾患と闘っていくセルフマネジメントが重要であることを強調した(図1)。

図1

「自動車で長距離を走ることを闘病生活に例えると,エンジンをかけるイグニッションキーは網羅的治療,標識を示して正しい方向に導くのが医療者,燃料は家族や協力者であるが,アクセルペダルを踏んで車を走らせるのは,あくまで患者さん自身なので,セルフマネジメントにおいては疾患と向き合う姿勢が重要である(図2)」としている。

図2

 さらに,「関節リウマチは,30年前は治らない疾患といわれていたが,現在は寛解を目指せるまで診療が進歩した。線維筋痛症では,最近の研究から疼痛の責任病巣や,慢性疲労症候群との病因の違いなどが明らかになりつつある。治療薬も開発されている上,社会保障整備の動きも見られている。疾患の認知度を高めて診療環境が改善していくことで,患者さんが恩恵を受ける時期は遠くないのではないか」と述べた。

(金本正章)

  

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