解説 急性期脳梗塞に対する血管内治療―エビデンスの確立と新たな疑問
JAMA掲載のメタ解析について吉村紳一氏に見解を聞く
2015年11月10日 13:40
〔編集室から〕先週のJAMA(2015年11月3日号)に急性期脳梗塞に対する血管内治療の有効性や安全性を検討した8件のランダム化比較試験(RCT)のメタ解析に関する論文が掲載された(JAMA 2015;314:1832-1843)。このメタ解析を実施したカナダ・McMaster UniversityのSaleh A. Almenawer氏らは「血管内治療は機能指標の改善と90日後の機能的自立率の高さに関連していたが,頭蓋内出血と全死亡率に関しては標準治療との間に有意差がなかった」と結論付けている(関連記事)。その一方で,解析からは血管内治療を実施すべき患者の選択や治療開始までの時間など,明らかにすべき課題も浮かび上がってきた。このメタ解析について,わが国で超急性期脳梗塞に対する血管内治療の有効性を確認することを目的とした登録研究RESCUE-Japan Registry 2の主任研究者である兵庫医科大学脳神経外科学主任教授の吉村紳一氏に解説してもらった。