VZV特異的細胞性免疫の低下が帯状疱疹を招く
大規模前向き疫学調査,小豆島スタディの知見から
2015年12月08日 08:00
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帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛(PHN)は激しい痛みをもたらす疾患だが,高齢化の進行で患者数が増え続けており緊急の対策が求められている。米国では高齢者の帯状疱疹予防に高力価の水痘ワクチンが用いられており,日本でも水痘ワクチンの適応拡大が申請中である。水痘と帯状疱疹は同じウイルス(varicella -zoster virus;VZV)によって起こるとはいえ,病態の異なる2疾患がなぜ同じワクチンで予防可能なのか。その理論的背景として,香川県の小豆島で行われた大規模前向き疫学調査The Shozu Herpes Zoster Study(以下,小豆島スタディ)があった。同調査のフィールドワークを中心的に担った阪大微生物病研究会観音寺研究所所長の奥野良信氏に,調査結果の概要と帯状疱疹予防の展望を聞く。