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来年のスギ花粉,飛散が多い地域は?

2016年のスギ・ヒノキ花粉の最新予測-列島だより

 2015年12月25日 07:00

東北 2015年の大量飛散の反動を受ける

青森県 弘前大学大学院耳鼻咽喉科学講座教授の松原篤氏によると,2015年春はスギ花粉の飛散が多いと見込んでいた当初の予測を大きく上回る大量飛散を多数の地域で記録したことから,患者にとってはかなりつらい年であったという。

 2015年秋に青森県花粉情報研究会の樹木医である兼平文憲氏らがスギ雄花の着生状況を調査した結果,雄花の着き具合は例年よりもやや少なかった。2016年における青森県のスギ花粉の飛散は,大半の地域で2015年を下回り,過去10年平均(例年)よりもやや少なく,むつ地域では過去10年平均並みが見込まれるとしている()。

〈表〉 青森県内5市における2016年のスギ花粉飛散予測

(青森県花粉情報研究会提供)

盛岡市 須藤内科クリニック院長の須藤守夫氏によると,2015年7月21日〜8月20日の最高気温年次差(前年--前々年)が+2.4℃で,過去11年間の相関関係からの予測値だと大量飛散となるが,過去に7,000個/cm2/season(以下,個)以上を記録した3つの年度(2015年のスギ・ヒノキ合算7,685個を含む)の翌年はいずれも飛散が4分の1程度になるという。

 岩手大学農学部教授の橋本良二氏による野外調査の結果ではスギ雄花の着花指数は3,200で,過去10年間(2006〜15年)の着花指数と翌年の飛散数との相関関係からは約2,000個と考えられることや,大量飛散の反動や2015年夏の高温も鑑みた総合的な判断から,スギ花粉の影響が大きい同市の2016年はスギ・ヒノキ合算で約2,500個の見込み。

山形市 空中花粉研究者の高橋裕一氏によると,2015年のスギ・ヒノキ合算の飛散数は約6,000個と過去10年平均を上回る大量飛散であったという。2016年に関しては,2015年7月の最高気温平均値は高かったが,大量飛散年の裏年に当たることや,30年以上にわたる研究結果に加え,秋の野外調査では市街地に近い里山ではスギの着花量は少なく,海抜400〜600mの調査エリアでは着花量が比較的多いスギが観測されたため,過去10年平均よりも低いが,スギ・ヒノキ合算で2,600個程度を見込んでいる。

北陸・東海 2015年の2倍以上の地域あり

新潟市 藤崎医院副院長の藤崎洋子氏によると,2015年7月の最高気温平均値が平年を上回ったが,8月では下回ったこと,7〜8月の真夏日は2014年より多く,乾燥日や台風の影響も少なかったこと,秋のスギ雄花の着生状況を調査した結果では着花指数が6段階中4で雄花の大きさは2014年と同様で5〜8mmであったことなどから,2016年はスギ花粉単独で約3,000個と,過去10年平均並みの予測とした。

名古屋市 いとうひろたか耳鼻咽喉科・アレルギー科院長の伊藤博隆氏によると,2015年秋の野外調査の結果では花芽の数は少なくなく,ヒノキは2015年の2〜3倍を思わせる着花状況にあり,平年の70〜80%程度の着花状況から豊作傾向にあったという。2016年に関しては,2015年夏の気象条件も加味して,ISロータリー式測定法(ダーラム式測定法の3〜4倍程度)によるスギ・ヒノキ合算で2,900〜4,400個程度と,過去10年平均には及ばないが,2015年の2〜3倍が予想されるとしている。

三重県津市 ゆたクリニック院長の湯田厚司氏によると,三重県林業研究部の協力で実施した野外調査(1988年から継続するスギ定点基準木の観測)の結果では着花状況は良好であった。2016年のスギ花粉は約7,000個と多く,2015年の2倍以上が見込まれる。

近畿 京都市や西宮市はヒノキ花粉が多い

和歌山市 NPO日本健康増進支援機構理事長の榎本雅夫氏によると,2014年,2015年と少量飛散であったが,2016年も2015年夏の気象条件や野外調査の結果からスギ花粉は400個程度で,3年連続で過去10年平均を下回る少量飛散になるかもしれないという。

京都市 京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室講師の安田誠氏によると,2015年7月の平均気温,最高気温,平均湿度,総日照時間,総降水量からのスギ花粉の予測は2,000〜2,500個,野外調査のスギの着花状況は平年並みからやや豊作の印象であったことから,2016年の飛散は過去10年平均並みかやや多いことが見込まれる。ヒノキ花粉も3,500〜4,500個の予測で,2015年の低調傾向から一転して飛散がかなり多くなるという。

兵庫県西宮市 気象予報士の南利幸氏によると,野外調査の結果からはスギ雄花の着生状況は良好とは言えず,ヒノキは2015年より多い着花状況であったことから,スギ花粉の2016年の予測は約1,000個,ヒノキ花粉は約1,500個程度で過去10年平均並みで2015年より多い可能性を指摘した。

中国・四国 中国は少ない一方で四国は多い

岡山県 松山大学薬学部臨床薬学教育研究センター教授の難波弘行氏によると,岡山県中部では1991〜2015年の年間のヒノキ科(スギ,ヒノキ)花粉数と最も良い相関関係が認められた2015年7月の年次気温差を用いて2016年の年間ヒノキ科花粉数の予測を行ったところ,スギ・ヒノキ合算で約1,994個,岡山県南部では花粉観測施設における1999〜2015年の年間の飛散数と最も良い相関関係が認められた7月の最高気温平均値を用いた予測は約2,043個であった。

 ただし,岡山県におけるヒノキ科花粉の供給地である県北部のスギ花芽調査の結果では,2014年(2015年の飛散量に反映)と比べて少ない印象であった。近年の年間ヒノキ科花粉数の減少傾向や,2015年7月の最高気温平均値が29.8℃で2014年(30.6℃)より0.8℃低いことを考慮すると,各地域とも合算で1,000個前後と飛散が多くないことが考えられるという。

鳥取市 鳥取地球環境研究所代表の市谷年弘氏によると,鳥取市における秋の野外調査の結果では,スギは2011年の調査結果(2012年の飛散量に反映)と同様にCランク(雄花の着生がまばら)とDランク(着生がほとんど観察されない)が多く観測されたという。島根県に関しても,2011年の調査結果と似た花芽の着き具合であったことから,いずれの地域も少量飛散が見込まれるという。

香川県木田郡 香川大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の秋山貢佐氏によると,2015年のスギ・ヒノキ合算の飛散量は1,401個で2014年の着花状況を表す雄花指数は873,それに対し2015年11月の調査では雄花指数は1,127であった。過去5年間の調査結果も加味すると,2016年の飛散は合算で2,500個程度と,2015年および過去10年平均よりも多いという。

愛媛県今治市 空中花粉研究者の檜垣義光氏によると,2015年11月20日に愛媛県今治市玉川町の水ヶ峠で実施したスギ定点林56本の観察結果では,Aランク(雄花が非常に多く着生)はなし,Bランク(多く着生)8本に対し,Cランク(15本)とDランク(33本)が大半であり,2014年における調査結果に近かったという()。2016年は,2015年7月の最高気温平均値(28.9℃)の予測,2014年(30.0℃)との年次差による予測,野外調査の結果,2015年の少量飛散(スギ・ヒノキ合算1,919個)を考えると合算で3,137個が見込まれ,過去10年平均4,769個には及ばないが,2015年を上回ることが見込まれている。

〈表〉 愛媛県今治市におけるスギの花芽調査の結果(単位:本)

九州 2015年より多いが例年より少ない

福岡市 国立病院機構福岡病院アレルギー科医長の岸川禮子氏,公益財団法人日本アレルギー協会九州支部の児塔栄子氏によると,2015年7月の平均気温,全天日射量ともに平年値より低く,湿度は高かったという。1987〜2015年の29年間のデータと全天日射量の結果による2016年のスギ・ヒノキ合算の予測値は963個。12月6日の野外調査の結果では,スギ100本のうちAランクの割合は11%,Bランクは48%,CおよびDランク41%であった。これらの結果から,2016年は2015年より飛散は多くなるが,例年よりも少ないことが考えられるとしている。

スギ雄花着生状態の判定法とその評価

観測木の樹冠(陽樹冠部分)を観察したときの雄花着生状態を,次の4ランクに区別して判定する。 A:樹冠の全面に着生。雄花群の密度が非常に高い B:樹冠のほぼ全面に着生 C:樹冠にまばらに着生。あるいは樹冠の限られた部分に着生 D:雄花が観察されない

(林野庁「スギ林の雄花調査法」)

注1)列島だよりの飛散予測は,空中花粉研究者が現地で独自に行った調査結果に基づくもの

注2)植物分類学的にスギ科は現在,ヒノキ科に統合された。ヒノキ科花粉をここでは,ヒノキ科スギ属のスギと,ヒノキ科ヒノキ属のヒノキで代表させる

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