インフルエンザワクチンが高齢者に効きにくい理由
2016年01月07日 07:20
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高齢者ではインフルエンザワクチンの効果が若者より低いと報告されており,その原因として抗体産生細胞の機能低下をはじめとする免疫老化が指摘されているが,複数のインフルエンザシーズンを対象とした分子レベルでの研究は少ない。そこで,ブラジル・University of São Paulo薬学部のHelder I. Nakaya氏らは,2007〜11年の5つのインフルエンザシーズンを対象として,季節性インフルエンザ3価ワクチンの投与を受けた212例の血液サンプルを解析。既報(Franco 2013)における218例のデータと合わせて検討した結果,「高齢者ではベースライン時における単球の増加,炎症関連の分子署名が抗体応答の減弱と関連していることが示された」とImmunity(2015; 43: 1186-1198)で報告した。