難病の多発性嚢胞腎,新薬登場で新ステージへ
希少・難治性疾患-5
2016年03月24日 07:15
嚢胞の数や大きさが加齢とともに増し,腎機能が進行性に低下する常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は,昨年(2015年)1月から国の難病に指定された。中年期まで無症状で推移するケースも多いが,70歳代までに半数は末期腎不全を呈し,腎代替療法が必要となる。これまで対症療法しか手だてがなかったが,新しい治療薬バソプレシンV2受容体拮抗薬トルバプタンが登場し,早期診断・治療に広がりが見られている。順天堂大学泌尿器科学教授の堀江重郎氏は「いろいろな受診機会を捉え,ADPKD患者に治療機会を提供することが重要」と話している。