足・爪白癬の慢性化と感染拡大に歯止めを(1)
高齢者足・爪白癬の疫学と病態
2016年05月18日 07:15
白癬は皮膚糸状菌を原因菌とする感染症で,皮膚科新患の1割超を占めるありふれた疾患である。未治療状態にある患者の高齢化により,白癬潜在罹患率は高齢者で高いとも指摘されている。足・爪白癬については,家族間や介護施設などでの集団感染が危惧される他,爪白癬に伴う爪甲肥厚による疼痛で靴が履けない,歩行が難しいなどの問題が生じる。高齢者の歩行困難は日常生活動作(ADL)の低下を招き,QOLや認知機能の低下とも結び付くため,足・爪白癬の放置は看過できない問題である。金沢医科大学皮膚科学講座教授の望月隆氏,揖斐厚生病院(岐阜県揖斐郡)皮膚科部長の藤広満智子氏に,高齢者での足・爪白癬の実態について聞いた。〔関連記事:(2)KOH法による診断〕