SGLT2阻害薬で握力向上,サルコぺニアを回復?
作用機序で新しい仮説も提示
2016年05月18日 07:20
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HDCアトラスクリニック(東京都)院長/日本医科大学客員教授の鈴木吉彦氏らの研究グループは,SGLT2阻害薬の投与により2型糖尿病患者の握力が有意に高まることをJ Diabetes(2016年4月2日オンライン版)に報告した。SGLT2阻害薬は筋肉分解作用持つため高齢者ではサルコペニアに注意を要すると指摘されているが,サルコペニアの診断基準の1つである握力の向上効果が確認されたことで,従来の考えが覆される可能性が出てきた。また同研究グループは作用機序について「Set-Point Change」という新しい仮説を提唱しており,SGLT2阻害薬の心血管リスク低下を示したEMPA-REG OUTCOME試験の結果についてもこれまでと違った解釈を提示している。鈴木氏に解説してもらった。