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予後改善の4つの処置を受けた早産児は6割未満

欧州11カ国のコホート研究

 2016年07月12日 07:00

 2011~12年に在胎32週未満で生まれた早産児約7,000例の中で、生命予後を改善することが知られている4つに処置全てを受けたのは6割に満たなかった。欧州11カ国19地域の人口に基づく前向き観察研究であるEPICE*に登録された年間85万例以上の新生児データの解析結果を、フランス・French Institute of Health and Medical Research(INSERM)疫学・生物統計センター産科・周産期・小児科疫学研究チームのJennifer Zeitlin氏らがBMJ2016年7月5日オンライン版)に報告した。同氏らは、在胎週数の短い早産児の実臨床で、エビデンスに基づく医療(EBM)の導入が不十分な実態に懸念を表明した。

* Effective Perinatal Intensive Care in Europe for very preterm births

続きを読む(読了時間:約 2 分) 

EBMに基づく4処置実施状況を調査

 在胎32週未満の早産児は、正期産児に比べて死亡および重症合併症リスクが高い。その対策として有効な治療戦略が存在しているが、実臨床での実施状況は不明である。そこで、この研究では、在胎32週未満の早産児を対象に、EBMに基づく4つの処置の実施と、病院死亡および退院時の重症後遺症との関連について検討した。

 EBMに基づく4つの処置とは、①適正水準の新生児集中治療施設を併設した産科病棟での出産②出生前のコルチコステロイド母体投与③低体温症予防(新生児施設入院時36度以上)④呼吸障害の早期治療〔サーファクタント投与もしくは早期経鼻持続陽圧呼吸療法(CPAP)〕-。重症合併症は、脳室内出血(Papile分類グレード3/4)、囊胞性脳室周囲白質軟化症、未熟児網膜症(3~5段階)、重症壊死性腸炎とした。

4処置実施で病院死亡リスク28%減

 今回の解析対象は、2011~12年に欧州11カ国19地域の乳児専門治療施設に入院し、重大な先天性異常がなく、在胎24~31週(平均28.7週)に出生した新生児7,336例。このうち、病院死亡は672例(9.2%)で、生存した6,479例中669例(10.3%)では重症合併症が残った。ほとんどの新生児がEBMに基づく処置を1つ以上受けていた。しかし、適格であった4つの処置を全て受けた新生児はわずか58.3%(4,275例)であった。

 在胎週数が26週未満、発育遅延、単胎、アプガースコア7点未満(出生5分後)、母体入院当日に生まれた新生児は、EBM基づく4つの処置全てを受けにくかった。傾向スコアを用いた解析手法で交絡因子を調整後、EBMに基づく4つの処置の完全な実施は、病院死亡(リスク比0.72、95%CI 0.60~0.87)、病院死亡および/または重症合併症(リスク比0.82、95%CI 0.73~0.92)低下に関連していた。また、EBMに基づく4つの処置が全ての新生児に提供された場合、全死亡が18%減少すると推計された。

エビデンスの包括的な臨床導入を

 今回の知見について、Zeitlin氏らは「観察研究から因果関係について、確固たる結論を引き出すことはできないが、最良の結果を得るために有効な治療法を包括的に行うことによりいっそう集中すべきということを裏付けている」と考察。「周産期医学でのエビデンスに基づくより包括的な治療戦略を実臨床に導入することは、重症後遺症のない生存児を増やし、在胎週数の短い早産児に大きな恩恵をもたらしうる」と結論付けた。

坂田真子

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