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不飽和脂肪酸への置換で総死亡リスクが減少

米12万人の前向きコホート解析

 2016年07月12日 14:25

 飽和脂肪酸(SFA)を不飽和脂肪酸(UFA)に置き換えることで総死亡リスクが低減できる。米・Harvard T. H. Chan School of Public HealthのDong D. Wang氏らはNurses' Health Study(NHS)とHealth Professionals Follow-up Study(HPFS)の米国の医療関係者12万6,000人を約30年間追跡した前向きコホート研究の結果から、食事由来の脂肪を構成する脂肪酸の種類によって総死亡リスクが異なるとの結果をJAMA Intern Med2016年7月5日オンライン版)に報告した。

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特定脂質摂取の長期的影響を検討

 今回の解析対象は、ベースライン時に心血管疾患(CVD)、がん、糖尿病のない人で、NHS(1980年7月~2012年6月)から成人女性83,349人と、HPSF(1986年2月~2012年1月)から成人男性42,884人を抽出。食事由来の脂肪摂取量はNHSとHPSFの半定量的食物摂取頻度調査データからベースライン時に評価、その後2~4年ごとに更新した。死亡の情報は州の生体記録とNational Death Indexの系統的探索から入手、家族や郵政公社からの報告で補完した。解析期間は2014年9月~16年3月。

 NHSは32年間(2,464,852人・年)で20,314人、HPFSは26年間(975,102人・年)で12,990人がそれぞれ死亡し、全体では33,304人(計3,439,954人・年の追跡)の死亡が確認された。

 交絡因子*を調整後、等カロリー置換した全糖質との比較において、総脂質摂取量(エネルギー比率:女性25~42%、男性23~38%)は総死亡リスクの低下と関連を示した。最低五分位群と比べた最高五分位群のハザード比(HR)は0.84(95%CI 0.81~0.88、傾向のP<0.001)だった。しかし、脂肪酸の種類別に比較すると、多価不飽和脂肪酸(PUFA、同 0.81、0.78~0.84)と一価不飽和脂肪酸(MUFA、同0.89、0.84~0.94)は死亡率低下に関連したのに対し、SFA(同1.08 、1.03~1.14)とトランス脂肪酸(TFA、同1.13、1.07~1.18)の多量摂取は死亡率増加に関連した(全て傾向のP<0.001)。また、SFA由来のエネルギー摂取量の5%をPUFAとMUFAに置換すると、それぞれ27%(調整後HR**0.73、95%CI 0.70~0.77)、13%(同0.87、0.82~0.93)の総死亡リスクの減少に関連すると推定された()。

図. 飽和脂肪酸を特定の脂肪酸で等カロリー置換した場合の総死亡リスクへの影響

JAMA Intern Med 2016年7月5日オンライン版)

 ω-6 PUFA摂取量は総死亡率の低下に関連していた(最低五分位群と比べた最高五分位群の総死亡の調整後HR* 0.85、95%CI 0.81~0.89、傾向のP<0.001)のに対し、ω-3 PUFA摂取量は総死亡率のわずかな低下に関連していた(同0.96、0.93~1.00、傾向のP = 0.002)。

糖質への置換は影響ない

 今回の解析では、MUFA摂取は総死亡率低下に有意に関連していたが、過去にはMUFAは逆に死亡率増加に関連するとの報告もある。こうした不一致について、Wang氏らは「時代とともにMUFAの主な摂取源が動物性脂肪からオリーブオイルやナッツなどの植物性脂肪にシフトしており、心血管系への好ましい影響が得られたのではないか」と考察。

 また、等カロリー置換した全糖質に比べて、SFA多量摂取はやや総死亡率増加に関連したが、予想に反してCVD死亡率との有意な関連は見られなかった。その背景について、同氏らは「典型的な西洋の食生活では、大量の精製澱粉と砂糖が主な糖質源で、このような高血糖負荷食は飽和脂肪酸とは独立してCVDリスクを増加させうる」と指摘。さらに「今回の知見は、SFAをPUFAやMUFAで置き換えることがかなりの健康上の便益をもたらすことを強く裏付けている。一方、SFAを糖質で置き換えてもCVD死亡率にほとんど影響しない。しかし、糖質による置換効果は糖質の質に部分的に依存する可能性がある」と分析した。

*:年齢、白人、婚姻状態、BMI、身体活動、喫煙歴、飲酒量、マルチビタミン服用、ビタミンEサプリメント服用、アスピリン使用、心筋梗塞/糖尿病/がん家族歴、高血圧/高コレステロール血症歴、総エネルギー/コレステロール摂取量、食事性蛋白質エネルギー比、閉経状態とホルモン剤使用(女性)で調整

**:*の因子に加えて、その他の脂肪酸(飽和脂肪酸、PUFA、MUFA、トランス脂肪酸、ω-6 PUFA、ω-3 PUFA、リノール酸、アラキドン酸、α-リノール酸およびω-3魚油)のエネルギー摂取量で調整

坂田真子

  

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