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ロボット支援の前立腺全摘術、予後に差なし

第Ⅲ相RCTでの3カ月予後

 2016年08月01日 06:20

イメージ画像 (c)Thinkstock/Getty Images ※画像はイメージです

 ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘術(RALP)と従来の開腹手術による恥骨後式根治的前立腺全摘術(RRP)の3カ月予後に差はない。RALPとRRPを直接比較した初の第Ⅲ相ランダム化比較試験(RCT)の結果を、オーストラリア・Royal Brisbane and Women's HospitalのJohn W. Yaxley氏らがLancet2016年7月26日オンライン版)に報告した。

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排尿・性機能、切除断端陽性率に差なし

 2010年8月~14年11月に、選択基準①新規に診断された限局性前立腺がん患者で治療に手術を選択②英語の読話が可能③頭部損傷、認知症または精神疾患の既往歴がない④他のがん併発なし⑤推定余命が10年以上⑥年齢35~70歳―に適合する男性326例を登録、RRP群またはRALP群に1:1でランダムに割り付けた。実際に手術を受けたのはRRP群151例、RALP群157例。オープン試験であったが、データ解析および病理診断の担当者には割り付けが知らされなかった。

 主要アウトカムは①術後6週、12週、24カ月時点のExpanded Prostate Cancer Index Composite(EPIC)による排尿機能②同時点のEPICおよびInternational Index of Erectile Function(IIEF)による性機能③術後24カ月時点の腫瘍学的アウトカム(切除断端陽性、画像検査および生化学検査による進行の有無)。

 12週までのRRP群とRALP群の排尿機能スコアは、術後6週(74.50対71.10、P=0.09)および12週(83.80対82.50、P=0.48)で有意差がなかった。同様に、性機能スコアも術後6週(30.70対32.70、P=0.45)および12週(35.00対38.90、P=0.18)で有意差がなかった。

 切除断端陽性率はRRP群が10%、RALP群が15%。両側90%CIを用いた同等性試験では、90%CI上限が事前に設定した同等性マージンを超えており、同等性は示されなかった。一方、優越性試験では両者に有意差が認められなかった(P=0.21)。

 術後合併症はRRP群14例(9%)、RALP群6例(4%)に発生し、両群に有意差はなかった(P=0.052)。

失血量や入院期間に差、休職期間には差なし

 副次アウトカムに関しては、RRP群はRALP群に比べて失血量が3倍で(P<0.0001、ただし術中輸血は不要)、術後の平均入院期間が長かったが(P<0.0001)、平均休職期間に有意差はなかった(P=0.49)。

 また、疼痛(Surgical Pain Scale)の評価では、日常生活動作を行う際の疼痛がRALP群はRRP群に比べて術後24時間(P<0.0001)および1週(P=0.002)時点で有意に少なかったが、6週(P=0.55)および12週(P=0.70)時点では差がなくなった。同様に、RALP群はRRP群に比べて術後6週の身体的QOL(SF-36)が有意に高かったが(P=0.03)、12週では差がなくなった(P=0.81)。

長期追跡結果では差が出る可能性も

 英・Imperial College LondonのErik Mayer氏とAra Darzi氏は同誌の付随論評(2016年7月26日オンライン版)で、「Yaxley氏らの試験では最後の患者が2015年3月に手術を受けており、術後1年時点の腫瘍学的アウトカムを医学界が心待ちにしている。長期の機能的アウトカムおよび腫瘍学的アウトカムの解釈にこそ、この試験の診療上の重要な意味がある」と述べている。

 Yaxley氏らは「排尿機能および性機能は時間とともに改善し続けると思われる。長期間追跡しないと有意差が現れないのかもしれない。われわれは最後の患者の2年間の追跡が終了したら、長期追跡結果を報告する予定だ」と述べ、「それまでは、手術方法で判断するのではなく、信頼関係を築ける経験豊富な外科医を選ぶべきである」と患者に助言している。

太田敦子

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