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がん慢性疼痛GLを発表、ASCO

成人がんサバイバーに向けて

 2016年08月03日 06:15

イメージ画像 (c)Thinkstock/Getty Images ※画像はイメージです

 米国臨床腫瘍学会(ASCO)が成人がんサバイバーの慢性疼痛管理に関する臨床ガイドライン(GL)を初めて策定、発表した。同GLでは、疼痛が3カ月以上持続している成人がんサバイバー(疼痛の原因は不問)の慢性疼痛管理に関して、エビデンスを踏まえたガイダンスが提供されており、診察のたびに慢性疼痛の検査と評価を行うことが強く推奨されている。同GLはJ Clin Oncol2016年7月25日オンライン版)で公開された。

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診察のたびの検査と評価を強く推奨

 がん診断・治療の急速な進歩に伴い、米国内だけでがんサバイバーは約1,400万人に上ると推定されている。がんサバイバーの約3分の2は、がんと診断されてから5年以上生存しているが、慢性疼痛はサバイバーの約4割が抱えているとされる深刻な問題の1つでQOLの低下を招いている。しかし、従来のがん患者に対する疼痛管理GLは急性疼痛や進行期における疼痛の管理に照準を合わせたもので、サバイバーの慢性疼痛に対応するものではなかった。

 今回ASCOの専門家パネルは、がんサバイバーの慢性疼痛管理に関する文献をシステマチックに検索し、63研究を勧告のエビデンスとした。

 まず同GLでは、臨床医は診察のたびに疼痛の検査を行い、各種疼痛評価スケール(Verbal Rating Scaleなど)を用いて定量化、その結果を記録することを強く推奨している。疼痛の存在が確認された場合は、原因の特定、治療計画の立案を目的とした包括的な疼痛評価へと進む。

 さらに、患者が新たな疼痛の発生を訴えた場合、再発、続発性腫瘍、がん治療関連の慢性疼痛症候群を念頭に置いて評価・モニターすべきである。疼痛関連アウトカムの改善を含む包括的疼痛管理を提供するために他の専門家の介入を検討することも必要であるとしている。

 薬物療法では、慢性疼痛緩和および/または機能改善の目的で、非オピオイド鎮痛薬〔非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、アセトアミノフェン〕ならびに鎮痛補助薬の全身投与を行ってよい。鎮痛補助薬としては、鎮痛作用のエビデンスが得られている一部の抗うつ薬(デュロキセチン)や抗痙攣薬(ガバペンチン、プレガバリン)を神経因性疼痛や広汎な慢性疼痛に対して検討する。一部のがんサバイバーが実際に使用して慢性疼痛の緩和に効果があったとされる薬剤は他にも数多く存在するが、エビデンスは確立されていない。

 外用剤(NSAIDs;局所麻酔薬;バクロフェンやアミトリプチリン、ケタミンを含むクリーム/ゲル剤)を慢性疼痛管理目的で処方することもできる。ただし、慢性疼痛緩和のみを目的としたがんサバイバーへのコルチコステロイドの長期投与は推奨されないとしている。

オピオイド奏効群の特定が課題

 慢性疼痛が認められるがんサバイバーで、従来の治療法に応答せず、疼痛関連の苦痛や機能障害の継続が認められる場合には、患者を慎重に選択した上で、オピオイド投与を試みてよい。臨床的に必要と判断されたら、非オピオイド鎮痛薬や補助薬の追加も可能である。

 疼痛管理にオピオイドを用いる場合には有害事象リスクの評価は欠かせない。オピオイドによる免疫異常や腫瘍増殖のリスクも指摘されているが、臨床的リスクに関するエビデンスは現時点では不十分である。

 臨床医は、オピオイドを疼痛管理に使用した場合に関連する耐性、依存、乱用、中毒などについて明確に理解し、乱用や中毒、オピオイド関連死亡などの有害な帰結を最小限にとどめるための予防策を講じるべきであり、中枢神経系を抑制する薬剤、特にベンゾジアゼピン系薬の同時処方は慎重に行う。患者には飲酒や鎮痛薬(OTC薬)の使用、他の医療機関での中枢神経系作用薬の処方などに注意する必要性を理解させておく。

 オピオイド使用が正当化できなくなった場合は、禁断症状回避のため用量を漸減させていくが、その具体的プロトコルや有害事象低減を目的とした薬剤の併用などは患者に合わせて決定すべきである。

 同GLでは、がんサバイバーの慢性疼痛に関する研究は始まったばかりだが、がん治療関連疼痛症候群の解明、オピオイド治療に良好に応答する群の特定、オピオイドが免疫系や腫瘍増殖に及ぼす影響など、喫緊の課題は山積しており、今後の研究によるエビデンスの蓄積が必要だとしている。

古川忠広

  

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