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GLP-1アナログで胆管・胆嚢疾患リスク上昇

7万例の2型糖尿病患者を検討

 2016年08月08日 07:20

 インクレチン関連薬による胆管・胆嚢疾患の新規発症リスクはDPP-4阻害薬では上昇しないが、GLP-1アナログでは79%のリスク上昇が認められた。フランス・University of MontpellierのJean-Luc Faillie氏らは、7万例を超える英国の2型糖尿病患者を対象に、インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬およびGLP-1アナログ)の使用に伴う胆管・胆嚢疾患の新規発症リスクをその他の経口糖尿病治療薬と比較検討した研究結果をとJAMA Intern Med2016年8月1日オンライン版)に発表した。

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DPP-4阻害薬は使用期間を問わずリスク上昇なし

 英国の一般医のデータベースClinical Practice Research Datalinkおよび病院エピソード統計のデータベースHospital Episodes Statisticsを用い、2007年1月1日~14年3月31日にインスリン以外の糖尿病治療薬の使用を開始した18歳以上の2型糖尿病患者7万1,369例を抽出、検討した。その結果、追跡期間22万7,994人年(平均3.2年間)に胆管・胆嚢疾患の初発により853例(胆石症563例、胆嚢炎368例、胆道炎5例、その他の胆管・胆嚢疾患151例)が入院し(1,000人年当たり3.7例、95%CI 3.5~4.0)、胆嚢摘出術が75例(8.8%)に実施された。

 時間依存性Cox比例ハザードモデルを用いた解析の結果、2種類以上の経口糖尿病治療薬の使用(対照群)と比べてDPP-4阻害薬の使用(単独または他の糖尿病治療薬との併用)は胆管・胆嚢疾患のリスク上昇に関連しなかった〔1,000人年当たり3.6例対3.3例、調整後ハザード比(HR)0.99、95%CI 0.75~1.32〕。また、DPP-4阻害薬の使用期間(180日以下、181~360日、360日超)による胆管・胆嚢疾患リスクの差はなく、DPP-4阻害薬の使用と胆嚢摘出術との関連は認められなかった(調整後HR 1.13、95%CI 0.67~1.93)。

GLP-1アナログでは胆嚢摘出術のリスクも上昇

 一方、GLP-1アナログの使用(単独または他の糖尿病治療薬との併用)に関しては、対照群と比べて79%の胆管・胆嚢疾患リスク上昇が認められた(1,000人年当たり6.1例対3.3例、調整後HR 1.79、95%CI 1.21~2.67)。使用期間別の検討では、180日以下の使用でリスク上昇が認められたが(調整後HR 2.01、95%CI 1.23~3.29)、180日を超える長期使用では有意なリスク上昇が認められなかった。また、GLP-1アナログの使用は胆嚢摘出術のリスク上昇にも関連していた(調整後HR 2.08、95%CI 1.08~4.02)。

GLP-1アナログの体重減少効果がリスク上昇に関与か

 GLP-1アナログによる胆管・胆嚢疾患リスク上昇についてFaillie氏らは「同薬による急速な体重減少が一因だと思われる。体重減少は胆石の危険因子として知られる胆汁中コレステロールの過飽和につながる。180日超の長期使用では有意なリスク上昇が認められなかったことも、急速な体重減少と関連している可能性がある」との見解を示している。

 また、DPP-4阻害薬ではリスク上昇が認められなかったことについては「両薬の薬理学的作用の違いで説明できる可能性がある。DPP-4阻害薬は内因性GLP-1の半減期を延長するが、GLP-1アナログはGLP-1受容体に対して直接的な外因性の作動薬として作用し、より強いインクレチン作用をもたらす。このメカニズムは、GLP-1アナログの消化管有害事象(悪心・嘔吐など)の発生率や体重減少効果がDPP-4阻害薬に比べて高いことの説明になる」と述べている。

 同氏らはさらなる研究の必要性を指摘した上で「GLP-1アナログを処方する際は胆管・胆嚢疾患リスク上昇の可能性に注意し、慎重なモニタリングを行うべきである」と締めくくっている。

太田敦子

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