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新専門医制度の問題再検証へ

理事長トップの基本問題検討委員会設立

 2016年08月09日 11:50

イメージ画像 (左から日本専門医機構副理事長の山下英俊氏、理事長の吉村博邦氏、副理事長の松原謙二氏)

 日本専門医機構は8月5日、同日の理事会後に記者発表会を開き、新専門医制度に関する基本的な枠組みを再検証する基本問題検討委員会を設立したと発表した。同機構理事長の吉村博邦氏が委員長を務めるこの委員会では、9月中に同制度に関わる諸問題を洗い出し、解決へ向け一定の方向性を示す見込みであるという。また、専門医の研修プログラムに対する基本18領域における各学会の意向や、同機構が認定する総合診療専門医制度の運用開始も新専門医制度同様2018年度以降に見送ることが報告された。新専門医制度については、先月同機構が開いた社員総会にて、開始時期を2017年度から2018年度をめどに延期することが決まっていた。

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基本18領域における各学会の見解が明らかに

 同機構は新専門医制度に関する検討の一環として、同制度で定める基本18領域の学会に対してアンケートを実施するなどし、2017年度に各学会が運用する専門医制度について調査した。

 記者発表会ではその結果について報告がなされ、小児科、整形外科、耳鼻咽喉科、救急科、形成外科、病理科の6学会は、新専門医制度のために策定された暫定プログラムないし同プログラムと既存のカリキュラムを併用することが明らかとなった。

望ましい地域医療の維持に向けた取り組み図る

 また、これまで新専門医制度をめぐる検討でも取り上げられた専門医の偏在を解消するための策など、地域医療への配慮についても複数の学会から報告が寄せられた。

 例えば小児科では、専門医を目指して研修を受ける専攻医の育成に加わる連携施設の承認基準を緩和し、小児科専門医と小児人口比を参考にして、大都市圏における募集定員の削減を図るといった措置を行ったという。募集定員については、従来188に上った研修プログラム(募集定員1,428人)を159プログラム(同1,140人)に削り、状況によってはさらなる募集定員の削減を図る。これらの対策により、募集定員が専攻医数を大幅に上回る事態が避けられる見込みであるという。

 整形外科は指導医要件の緩和を図り、耳鼻咽喉科は、指導医の資格を有しない専門医が研修指導責任医である研修施設に対し、積極的に指導医を取得するよう促す一方で、基幹施設から週1~2回、外勤という形式で研修指導をサポートする要員を派遣するとした。こういった指導医の柔軟な運用には、専攻医が都市部に集中する状況を緩和する効果が期待される。

 なお、救急科については、全190に及ぶ研修プログラムのうち大学病院以外の基幹施設が105プログラム(55%)を担っており、基幹施設である85の大学病院のうち64の大学病院が他のプログラムの連携施設になっているなど、多様な研修内容の確保とプログラム内での柔軟な人的配置を実現していると思われると報告された。

サブスペシャルティやダブルボードに絡む問題を検証

 新専門医制度の実施に向け解決すべき課題としては,各診療科の下に細分化された専門分野であるサブスペシャルティや、一人の医師が複数の学会の専門医資格を有している、いわゆる「ダブルボード」の状態をどのように位置付けるのかという点も挙げられる。

 このような諸問題を洗い出し、あらためて検討する組織として、吉村氏を委員長とした基本問題検討委員会が設立されたことが報告された。この委員会では、研修プログラムや施設の認定、基本領域の連携、蓄積されたデータベースの解析といった、同制度の運用に必要な活動を担当する各種委員会の構成にも主体的に関わり、早ければ来月中にも機構としての一定の方向性を示したいとした。

機構が認定する総合診療専門医の養成も再来年度以降に

 新制度下にて基本診療領域の専門医に加える予定であった総合診療専門医の認定制度についても、以前は2017年度に暫定的に試行する意向を示していたが、関連する各学会の意見やニーズの集約が十分でないことなどから、2018年度以降に実施する見通しであることを明らかにした。この間に同様の専門医資格を取得したいという医師に対しては、日本プライマリ・ケア連合学会が認定する家庭医療専門医の取得を推奨するという。

 吉村氏は今回の見直しを受け、「ゼロからのスタートとは考えておらず、これまで議論してきた内容を土台としつつ、新しく柔軟な考え方を追加して、より良い制度をつくっていきたい」と述べた。さらに、「今後新たな専門医制度が始まったとしても、今年度に各学会の専門医研修を受けた医師が不利益を被らないような措置を講じていくことを理事会にて合意した」と説明し、専攻医への配慮を示した。

(陶山 慎晃)

  

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