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乾癬への抗IL-17A抗体でより高い効果

イキセキズマブで会見

 2016年08月10日 07:05

 今年(2016年)7月、乾癬の病態に深く関与しているインターロイキン(IL)-17Aを標的とする乾癬治療薬イキセキズマブが承認された。同製剤を投与後、乾癬の重症度判定の指標であるPsoriasis Area and Severity Index(PASI)スコア※1が75%改善(PASI75)した日本人の患者は9割以上(12週後)で、寛解が得られた患者が3割存在したとする国内第Ⅲ相試験成績を踏まえ、日本医科大学大学院皮膚粘膜病態学分野教授の佐伯秀久氏は「より高い効果が得られるようになった」と述べた。8月3日に東京都で開かれた記者発表会(主催=日本イーライリリー株式会社、鳥居薬品株式会社)での見解。

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IL-17Aに高い親和性で結合し活性を中和

 乾癬は、皮膚に出現する銀白色の鱗屑を伴う境界が明瞭な盛り上がった紅斑を特徴とする、全身性の炎症性慢性疾患である。

 健康な表皮のターンオーバーは平均28日とされるが、乾癬患者では表皮の代謝が亢進状態にあり、平均4~5日と極めて短い。そのため、厚く積み上がった表皮が鱗屑となるが、フケと勘違いされやすく、落屑を来すと家族も掃除に苦慮するなど、患者のQOL低下の原因になっている。

 これまで乾癬は、表皮の角化細胞の異常とされてきたが、近年、免疫ネットワークの異常によって角化細胞が増殖することが分かってきた。

 乾癬の病態に重要な役割を果たしている炎症性サイトカインとして、腫瘍壊死因子(TNF)-α、IL-17、IL-23が指摘されており、これらを抑制する抗体医薬医が登場した。

 今回、承認されたイキセキズマブはIL-17Aに高い親和性で結合し、その活性を中和するヒト化抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体製剤(皮下注)。既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症で適応を取得した。

 用法・用量は、イキセキズマブを初回160mg皮下投与し、2~12週までは80mgを2週ごとに、以降は80mgを4週ごとに、それぞれ皮下投与する。イキセキズマブではシリンジの他、乾癬治療薬としては国内初のオートインジェクターを採用した。

4週後には効果が発現

 佐伯氏は、イキセキズマブの承認申請に用いられた第Ⅲ相試験成績のうち、局面型皮疹を有する乾癬(関節症性乾癬を含む)、乾癬性紅皮症、汎発性膿疱性乾癬の中等度~重度の日本人91例を対象としたUNCOVER-Jの成績を紹介した。

 PASIスコアに基づいて、12週後の局面型皮疹を有する乾癬の改善を評価した結果、PASI75を達成した患者は98.7%(52週92.3%)、PASI90は83.3%(同80.8%)が達成した。

 同氏によると、既存のTNF-α阻害薬やIL-12/23阻害薬の場合、PASI90達成率は50~60%であったという。また、UNCOVER-JでPASI100(寛解)を達成した患者が32.1%(52週48.7%)存在したことに触れ、同氏はイキセキズマブでより高い効果が得られるようになったと話した。

 効果発現は投与4週後の早期に認められ、6割以上がPASI75を達成し、52週まで持続した。

 乾癬性紅皮症(8例)および汎発性膿疱性乾癬(5例)については、全般改善度※2に基づいて評価。全例に改善または寛解が認められた。

 一方、有害事象について最も多かったのは咽頭炎(局面型皮疹を有する乾癬78例中30例、乾癬性紅皮症8例4中、汎発性膿疱性乾癬5例2中)であり、ニューモシスチス肺炎、間質性肺炎、結核および侵襲性真菌感染症などの報告はなかった。

「若干だがさらに効果が高まる可能性」

 乾癬に対し生物学的製剤を選択する際の1例として、佐伯氏は関節症性乾癬を挙げ、TNF-α阻害薬に比べてイキセキズマブでは関節症性乾癬により高い効果があり、今後、治療選択肢に上がってくるのではないかとの見方を示した。

 また同氏は、TNF-α阻害薬やIL-12/23阻害薬に比べてイキセキズマブでPASI100の達成率が高かったことに触れ「さまざまな治験から、IL-17が乾癬の病態に重要な役割を担っていることが分かってきた。IL-17は炎症性サイトカインの下流に位置するため、有効性だけでなく安全性もより高いと考えられる」と述べた。

 同じく7月に承認されたブロダルマブ(IL-17受容体Aに対する完全ヒト抗体)との有効性と安全性の差について、同氏は「国内第Ⅲ相試験の成績を見る限り、ほぼ同じという印象がある」との認識を示した。ただしPASI90、PASI100の達成率を見ると、昨年(2015年)承認されたヒト化抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体セクキヌマブより、イキセキズマブおよびブロダルマブの方が「若干だがさらに効果が高まる可能性がある」と述べた。

 実臨床では、実際にIL-17阻害薬を使用し、その効果を実感しながら、3剤の使い分けを考えていくのが現実的だとした。

(田上玲子)

  • ※1 乾癬重症度評価の国際基準。頭部,上肢,体幹,下肢の4カ所の皮膚症状を0~72点で評価する。高スコアほど重症
  • ※2 医師がPASI スコアや所見の推移を基に、寛解、改善、不変、悪化の4 段階で評価
  

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