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「アセトアミノフェンで喘息増悪」を検証

小児対象RCTでイブプロフェンとリスク差なし

薬剤情報 | 2016.08.18 11:10

イメージ画像 (c)Thinkstock/Getty Images ※画像はイメージです

 アセトアミノフェンの使用が喘息の新規発症リスク、あるいは喘息増悪リスクに関係するとの観察研究などが報告されて以降、同薬と喘息との関係を巡り議論が続いている。特に喘息の小児に対しては、同薬は使用すべきでないと考える医師も多いという。しかし、米・Boston Children's HospitalのWilliam J. Sheehan氏ら米国立衛生研究所(NIH)/米国立心肺血液研究所(NHLBI) AsthmaNetの研究グループが軽症持続型の喘息の小児を対象に実施したランダム化比較試験(RCT)では、イブプロフェンと比べたアセトアミノフェンによる増悪リスクの上昇は示されなかった。詳細はN Engl J Med2016; 375: 619-630)に掲載されている。

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レスキュー薬使用や予定外受診の頻度にも差なし

 研究グループによると、小児や成人を対象とした観察研究でアセトアミノフェンの使用が喘息症状あるいは肺機能の低下と関連することが示されている他、小児の発熱に対するアセトアミノフェンとイブプロフェンを比較したRCTの事後解析では、予定外受診のリスクがイブプロフェンに比べアセトアミノフェンで高かったとの結果が得られているという。これらが報告されて以降、特に喘息の小児に対しては「安全性を支持するデータが得られるまではアセトアミノフェンは使用すべきでない」とする意見が聞かれるようになった。ただ、観察研究や事後解析ではバイアスが生じやすいため、適切にデザインされたRCTの実施が求められていた。

 今回、研究グループが実施したAVICA試験の対象は、米国内の18施設で登録された12~59カ月の軽症持続型喘息の小児300例。2~8週間のrun-in期間の後、解熱あるいは疼痛の緩和の必要性に応じてアセトアミノフェンを投与する群とイブプロフェンを投与する群にランダムに割り付けた。試験期間は48週間、主要評価項目はステロイド薬の全身投与を必要とする喘息の増悪の頻度とした。

 その結果、同期間にアセトアミノフェンまたはイブプロフェンを使用した回数は平均5.5回〔四分位範囲(IQR1.0~15.0〕で、両群間に有意差はなかった。喘息増悪の頻度も両群間に有意差はなく、1人当たりの増悪の頻度(平均)はアセトアミノフェン群で0.81回、イブプロフェン群で0.87回だった〔イブプロフェン群と比べたアセトアミノフェン群における増悪頻度の比(RR)は0.94、95%CI 0.69~1.28、P=0.67〕。

 試験期間中の喘息増悪の頻度が1回以上の小児の割合はアセトアミノフェン群で49%、イブプロフェン群で47%、2回以上の割合はそれぞれ21%、24%だった。また、喘息コントロールの日数やレスキュー薬(サルブタモール吸入薬)の使用頻度、喘息症状による予定外受診の回数、有害事象の発生頻度についても両群間に有意差はなかった。

「安心感与える成績」

 この試験結果を受け、米・Harvard Medical SchoolのAugusto A. Litonjua氏は、同誌の付随論評(2016; 375: 684-685)で、「(アセトアミノフェンの使用と喘息との関係を巡る問題の)一部については解答が得られた」とした上で、「必要に応じて使用する限り、イブプロフェンと比べたアセトアミノフェンによる喘息増悪リスクの上昇は認めらない」とする今回の成績は、喘息の小児の介護者に安心感を与えるのではないかとの見方を示している。

 ただ、今回は健康な小児に対するアセトアミノフェンの使用で喘息発症リスクが高まるのかどうかについては検討されておらず、「この問題についてはあらためて検討が必要」と指摘している。

※The Acetaminophen versus Ibuprofen in Children with Asthma

(岬りり子)

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