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経口で行える血小板増加治療の新たな選択肢

 2016年09月07日 07:10

 観血的手技を予定している慢性肝疾患患者に対する血小板輸血の代替療法として位置付けられる血小板減少症治療薬ルストロンボパグ(商品名:ムルプレタ)が昨年(2015年)、世界に先駆けてわが国で承認・発売されたが、このほど東京都で開かれた塩野義製薬主催のメディアセミナーで武蔵野赤十字病院(東京都)院長の泉 並木氏は「肝がん患者の高齢化に伴い、低侵襲なラジオ波焼灼療法(RFA)などの観血的手技が増えてくる中で、経口で簡便に使える同薬は使い勝手が良く、同薬の使用で、本当に血小板輸血が必要な患者に血小板製剤を優先的に回すことができ、将来の血液製剤の安定供給にも貢献できるだろう」と述べた。

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血小板輸血には限界

 慢性肝炎や肝硬変、肝がんなどによって肝臓が線維化すると肝臓の血流が低下し、肝臓の上流にある脾臓に血液がたまって肥大化し、血液中の血小板が壊されて減少する。また、血小板産生を促すトロンボポエチンという物質は肝臓でつくられるため、肝機能低下により血小板がつくられる数自体も減少する。特に血小板数が5万/μL未満まで減少している場合に、RFA、化学塞栓療法、肝生検、内視鏡的静脈瘤硬化療法などの観血的手技を行うと出血リスクが高くなることから、血小板数を増やす必要があるとされる。そのため、主に血小板輸血の他、脾臓摘出や部分的脾動脈塞栓術が行われている。

 しかし、泉氏は「血小板製剤は供給に限りがあり、有効期間が採血後3日と短く、移植片対宿主病予防のため必ず放射線照射が必要な他、輸血後、感染症フォローアップも求められる。また、輸血後の血小板数増加の程度は高くない」とし、血小板製剤の使用には限界があることを示した。脾臓摘出や部分的脾動脈塞栓術については侵襲度が高く、身体に負担が大きいと指摘した。

血液製剤の安定供給に対しても貢献可能

 昨年登場したルストロンボパグは、低分子のトロンボポエチン受容体作動薬で、同受容体に作用することにより、ヒト骨髄造血前駆細胞から巨核球系への細胞の増殖や分化誘導を促進し、 血小板数を増加させる。同薬は施術予定日の8〜13日前から服用(1週間)を開始する。臨床試験では、血小板輸血と比較して血小板補充効果が高く、その効果維持期間も長いことが示されている。

 泉氏は、「慢性肝疾患による血小板減少症患者に経口で簡便に使え、血小板輸血の代替となれば、肝がん患者の高齢化に伴い、今後増えるとみられるRFAなどの観血的手技の際、役立つ。また、今後若年者の献血者が減少することが予想され、血液製剤の安定供給が不安視されているが、この面でも貢献できる。さらに、将来的には、抗がん薬治療で血小板が減少する患者に対しても使える可能性があるだろう」と述べた。

(伊藤 茂)

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