NAFLD、冠動脈石灰化の進展に関与せず
【海外短報】
2016年09月08日 07:05
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非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は冠動脈石灰化(CAC)の発生と関係するが、その進展への関与は認められないと、韓国のグループがJ Clin Endocrinol Metab(2016; 101: 3134-3143)に発表した。
CAC発生はNAFLDの重症度に依存
NAFLDとCACとの関連が横断研究で報告されているが、NAFLDがCACの発生や進展に影響しているかどうかは明らかではない。同グループは、登録時と追跡中のCACデータが得られた1,732例(NAFLD群846例、非NAFLD群886例)を対象に、NAFLDとCACスコアの経時的な関係を検討した。
登録時のCACスコアが0で追跡中に同スコアが>0になった場合をCAC発生、登録時のCACスコア>0から追跡中に同スコアが増加した場合をCAC進展とした。
検討の結果、CACスコアの変化に対するNAFLDの影響は登録時CACスコアにより異なっていた。登録時にCACが認められなかった患者では、NAFLD群は非NAFLD群と比べ既知の代謝危険因子補正後のCAC発生リスクが有意に高かった(オッズ比1.49、95%CI 1.01〜2.21、P=0.045)。一方、CACが認められた患者では、NAFLD群と非NAFLD群のCAC進展に有意差はなかった(P=0.734)。
さらに、NAFLDの重症度に依存してCACの発生が認められた(傾向性のP=0.043)。
(編集部)