好酸球「除去」する新薬、重症喘息の増悪を半減
抗好酸球モノクローナル抗体benralizumab、2件の第Ⅲ相試験の成績
2016年09月12日 07:00
(c)Getty Images
高用量の吸入ステロイド薬(ICS)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)による治療でもコントロール不良な重症喘息患者に対する追加治療薬として、抗好酸球モノクローナル抗体benralizumabの有効性と安全性を検証するために実施された第Ⅲ相臨床試験であるCALIMA試験とSIROCCO試験の成績が、欧州呼吸器学会(ERS 2016、9月3~7日、ロンドン)で発表された。Benralizumabは、インターロイキン(IL)-5を直接のターゲットとする抗IL-5モノクローナル抗体のメポリズマブやreslizumabとは異なり、IL-5受容体のαサブユニット(IL-5Rα)に結合するモノクローナル抗体。NK細胞などを介して好酸球を「除去」する作用があるとされている。重症喘息患者計約2,500例を対象とした両試験では、プラセボ群に比べbenralizumab群で年間の増悪率が最大で約50%低下。肺機能や喘息症状の改善も認められ、安全性も確認されたという。両試験の成績はLancet(2016年9月4日オンライン版:CALIMA試験、SIROCCO試験)に掲載されている。